人間は「第6感」を磨くことができる【研究結果】

コウモリやイルカなどの動物には、高周波の音を発してその反響を聞くことで、目に見えない暗闇遠距離にあるモノの形や位置を判断する能力「エコーロケーション(反響定位)」が備わっている。

じつは、この“第6感”の素質が、われわれ人間にも備わっていることが、角谷美和博士らが実施し、学術雑誌『PLOS ONE』に掲載された研究で明らかとなった。

実験は、携帯端末から高周波のブザー音を鳴らし、その反響だけを手がかりに、形の違う2つの円柱のうち、高周波を向けられているのはどちらかを判断してもらうというもの。

もちろん、部屋を分けて円柱が見えない状態で。

© 2021 Sumiya et al.

その結果、円柱が静止しているのではなく、回転していれば、被験者はどちらの円柱が対象になっているのかを識別することができた。

選ばれし15名の“勘”が、特別鋭かったのだろうか?

いいえ。彼らは、円柱が回転した際に変化する反響の強さピッチ音質を聞き分けて、2倍の凸面がある円柱と、そうでない円柱とを識別していたのだ。

この研究を、角谷博士は「人間とコウモリの両方が音によって物体を解釈する能力を持っていることを示す証拠である」と締めくくっている。

エコーロケーションをマスターして、視覚を使わずに物体の形状、質感、動きなどを“見る”ことができるようになれば、文字通り見える世界は広がるだろう。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。