今、東京の「無人店舗」がおもしろい。

新しい形の無人店舗が、コロナ禍であらためて注目されている。「Amazon Go」や中国の「Bingo Box」をはじめ、世界的にも広がりをみせている古くて新しい販売スタイル。

無人販売といえば、基本的には性善説に基づいたビジネス。だが、テクノロジーの進化はセキュリティを向上させるだけでなく、顔認証やキャッシュレス化を促進させた。

さて、今東京で増え続ける無人店舗のなかから、商材、販売スタイルの異なる店舗をリストアップ。それぞれの入店方法や決済システムも注目してみて。

AIが実現する、未来の買い物体験
(新宿区)

©株式会社小学館

新宿住友ビルの地下1階に今月15日オープンしたのは、未来型AI無人店舗「DIME LOUNGE STORE」。小学館『DIME』編集部、丸善ジュンク堂書店、株式会社セキュアの3社共同でのプロデュース店となる。

「未来の買い物体験」を謳うAI店舗は、入り口の認証機でユーザー情報を読み取らせ顔情報を登録。一度登録すれば、マスクを着けたままでも認証できてしまうという、withコロナ時代対応型。

さて、店内で商品を手にすると上部のディスプレイに商品情報が表示され、手にしたまま退店ゲートに進むだけで、これまた顔認証するだけで自動決済できてしまう。カードも、スマホも、お財布を出すことさえ不要。うーん、快適。これぞ未来の買い物。

ちなみに、店内には『DIME』編集部とものづくりメーカーがコラボして開発した商品や、担当バイヤーが厳選した商品が並ぶ。

『DIME LOUNGE STORE』

【所在地】東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル地下 1階
【営業時間】10:00~19:00
【定休日】水曜、土日祝

“駅ナカ”無人コンビニ
(港区)

©株式会社TOUCH TO GO

2020年3月に開業したJR東日本の「高輪ゲートウェイ駅」。まだ降りたことがない人は、新駅詣のついでに無人コンビニを利用してみては?

駅構内にあるAI無人決済コンビニ「TOUCH TO GO」は、商品のスキャン不要で自分のバッグにそのまま入れてOK。

この仕組みを知らずに入店すると、周りの人の行動にハッとなるはず。でも、ご安心。天井のカメラと店内の赤外線、そして商品棚に設置された重量計のデータを統合し、誰が何を購入したかをAIが即時に判断。退店ゲート前のタッチパネルに表示された購入内容を確認し精算するだけ。

先んじて2018年にJR赤羽駅のホームに導入された「TOUCH TO GO」の実験店舗の商品は、およそ140アイテム。カメラは約100台設置されていたそうだが、高輪ゲートウェイ駅店の商品は600アイテムを超え、カメラは半分の50台に削減だそう。日進月歩の無人コンビニ。まだまだ増えそうな予感。

『TOUCH TO GO』

【所在地】東京都港区港南2-1 高輪ゲートウェイ駅構内
【営業時間】7:00~21:00

並ばず買える、新時代のテイクアウト
(千代田区)

©株式会社ユーボ

2018年、秋葉原にオープンした「beeat Sushi Burrito Tokyo」も無人店といえば無人店。巻き寿司とブリトーを融合した、日本初の寿司ブリトー専門店ということでも注目されたが、それ以上に斬新だったのは、AIが価格を決めるという料金設計。

さらには、当時こんな世の中を予想してはいなかったろうに、オーダー&決済をオンライン化し、店舗から行列をなくし、専用サービングボックスを設置することで、商品の受け渡しをなくした。キャッシュレス&無人ショップ、これはこれでニューノーマル。

『beeat Sushi Burrito Tokyo』

【所在地】東京都千代田区外神田5-6-2
【営業時間】11:00~15:00
【定休日】土日祝

支払いは券売機、試着室も完備
(中野区)

©2021 NEW STANDARD

昨年夏にオープンした「ムジンノフクヤ」は、24時間営業の古着屋。およそ200点の古着のほか、バッグやサンダルなど、メンズ、レディースともに幅広く取り揃えている。店内には2つの試着室も。

価格はハンガーの色で値段が異なり、500円から上は5000円まですべて税込価格。買いたい商品が決まったら、あとは券売機でその分のチケットを購入するというシンプルな流れ。

店舗の規模からは似つかわしくない数の防犯カメラによるセキュリティ対策もあるが、シンプルに前面をガラス張りにして商店街から店内がよく見えるつくりも一助となっているように思える。

『ムジンノフクヤ』

【所在地】東京都中野区野方5-17-9
【営業時間】24時間営業
【定休日】不定休

一律料金で24時間、餃子が買える
(杉並区)

©2021 NEW STANDAR

作りたてのおいしさを直接家庭に届ける直売所スタイルにこだわり、コロナ禍にあって急成長を続けているのが、関東を中心に100店舗以上展開する「餃子の雪松」。

餃子オンリーの無人販売所は、大型フリーザーが2台設置されているだけ。商品を取り、賽銭箱ライクな料金箱にお金を入れる非接触スタイルだ。防犯カメラの監視により24時間年中無休での営業。ふと思い立ったときに買いに行けるのがうれしい。

最新のAIテクノロジーとは無縁だが、昔ながらの無人直売所のイメージがそこにある。1パック36個入りで1000円(税込)。おつりは出ないので要注意。

『餃子の雪松 阿佐ヶ谷店』

【所在地】東京都杉並区本天沼1-18-11
【営業時間】24時間営業
【定休日】無休

Top image: © 株式会社小学館
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