欧州でもっとも重要なキュレーター「マヌエル・シラウキ」を知っているか?

アート・シンキング関連の本が数多くヒットしたことで、日本でもアートが身近な存在になりました。

アート・シンキングとはアーティストの思考プロセスをビジネスに応用しようという考え方。まだ存在しない未知の何かを生み出すアーティストの創造力をビジネスに応用すれば、世界を変えるような新しい製品やサービスが生まれるのではないか?そんな期待が起源になっています。

その重要性は日本でも注目されるようになり、最近では多くの展示会やアートシンキングのイベントが開催されています。しかし、ヨーロッパでは、アートはさらに重要な役割を果たしており、日本のアートに対する考え方とは一線を画しています。

そんな本場で一目置かれている人物が、世界でも指折りの美術館であるビルバオ・グッゲンハイム美術館でキュレーターを務めるマヌエル・シラウキ氏。

©Rene Bade

彼がキュレーションをおこなった展示会が軒並み成功を収めてきたのは特筆に値しますが、真に注目を集めているのがアート、テクノロジー、サイエンスを繋ごうとするその姿勢です。

三者を繋ぐなんて突拍子もない話?じつはその関係性は今に始まったことではありません。

レオナルド・ダ・ヴィンチに始まり、モールス信号を発明したサミュエル・モールス、「それでも地球は回っている(動く)」という言葉で有名なガリレオ・ガリレイなど多くの科学者やテクノロジストがアートを学んでいました。

最近ではAppleのスティーブ・ジョブズやAirbnbの共同創業者、ブライアン・チェスキーとジョー・ゲビアなどテック界をリードする経営者たちがアートを学んでいたことも有名な話です。

©Rene Bade

マヌエル・シラウキ氏がキュレーターとして参画しているのが、欧州委員会が先導する「S+T+ARTS」というプロジェクト。Science(科学)、Technology(テクノロジー)、Arts(アート)の頭文字を取ったもので、このプロジェクトの存在意義はただ単にイノベーションを加速させることではなく、社会における三者のバランスを取ることにあります。

今やGAFAに代表されるテック企業とテクノロジーが私たちの生活に与える影響は非常に大きくなり、私たちの関心はいっときの利便性や目先の経済性を重視してしまいがち。すると気づかないうちに社会や環境のあらゆるところに歪みが生まれ、いつの間にかテクノロジーに合わせて人間が生活するというおかしな状況が生まれてしまう。

本来、テクノロジーは私たち人間のためにあり、新しいテクノロジーが生まれる背景には科学の進歩があります。

人間の本質を理解するためのアート、人間の可能性を広げるテクノロジー、人間の住む世界の理を明らかにするサイエンス。これらの融合がイノベーションを加速させるのは、そもそも三者が密接した関係にあるから。

だからこそ、シラウキ氏の考え方は私たちの未来を知る大きなヒントになるはず。そんな思いからインタビューを実施しました。

インタビュー(前篇)は28日15時公開

Top image: © Ana Habash
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。