「酪農」か「代替ミルク」か、ニュージーランドで「ミルクの選択」

ニュージーランド南島サウスランド地方に、国内初となる植物ベースのミルク工場がまもなく開業するそうだ。

昨今の植物性ミルクの隆盛を考えれば……さしてビッグなニュースとは思わない、かもしれない。でも、ちょっと思い出してみて。ニュージーランドといえば「酪農」がもっとも輸出規模が大きい、主要輸出品目。輸出全体の26%以上を占める。

この酪農大国にも、近年代替ミルクの波が押し寄せ、国内需要もうなぎ登りだという。これを受け、サウスランドの地域開発機関「Great South」は、新会社を設立。現在、工場併設の植物性ミルクプラントを建設中だそう。オート麦、えんどう豆、麻などを中心に栽培、自社工場でのミルク生産まで秒読みの段階だ。

ところで、これまで多くの植物性ミルクは輸入品に頼っていたニュージーランド。国内ブランド「Otis Oats Milk」でさえ、国内で収穫したオーツ麦を自社で粉砕したあと、いったんスウェーデンにそれを送り、ミルクへと加工。逆輸入というかたちで販売をしていた。

それを一気通貫でまかなえる。カーボンフットプリントの観点からも、断然こちらのほうが自然だろう。

なるべくしてなった、できるべくしてできたネクストミルクのための農場。今後は、酪農との共存をいかに成していくのか。海の向こうの国の話ではあるが、関心をもっていきたい。

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