「キッチンカーをやりたい!」開業にはいくら必要?

近年、存在感を増しているフードトラック(キッチンカー)だけど、自分の生活圏に出ている“お店”以外に触れる機会がほとんどないし、情報としてもまとまってない。

どうせなら、“食べたい”はもちろんのこと、“始めたい”という人に向けた記事も作りたい!

というわけで、約700店舗と提携する日本最大級のフードトラック・プラットフォーム「TLUNCH」を運営し、月間100人以上のフードトラック開業希望者と向き合っている株式会社Mellowの向氏に“お金のハナシ”を聞きました。

ぶっちゃけ、いくらあれば始められますか!?

300〜500万円が相場
ただし、車両購入には注意点も

©株式会社Mellow

しっかりとしたフードトラックを開業するには、最低300万円はかかると考えておくべきでしょう。だいたい300〜500万円の間で収めるのが一般的です。

例えば、車を300万円で、調理器具を50万円で揃える。運転資金や備品費用を150万円と考えれば、総額500万円程度で開業できると思います(別途仕込み場所が必要なケースもあります)。

DIYでトラックを作ったり、すでにでき上がっている中古トラックを購入したりすればもう少し安く抑えられますが、長い目で見ると損をしかねません。

というのも、ちゃんとした車両製作会社で作ったトラックでないと、事業を撤退する際に売ることができなくなってしまうのです。そのため、後のことを考えると適正価格で購入するのがいいと言えます。

中古トラックを安く買えたとしても、フードトラックは物をたくさん載せて走行するうえ、車内で調理するため、普通の車よりも使用がハード。走行距離や整備状況をしっかり見定めないと、1年も経たずに使えなくなることもあります。

また、車両製作会社は複数社の話を聞いて、良し悪しを見定めるのがいいと思います。10年以上フードトラックを続けている方たちから、「1台目は失敗してしまったが、2台目でようやく良いトラックに巡り合えた」という声をよく耳にします。

やってみないと分からないことは多いですが、失敗しないために、何事も慎重に取り組んでみてください。

例外の「高級フードトラック」もあります

これまでの話はあくまでも一般論。とにかくこだわりを詰めた、もっと高額なフードトラックもたくさんあります。

例えば、天王洲にある「T.Y.HARBOR」などを運営するタイソンズアンドカンパニーの「EL CAMION」。クラフトビールを販売しているのですが、とにかくカッコいい。

ただし、大きくて重過ぎるため、出店場所が限られてしまっているみたいです。代々木公園の野外イベントなどで出会えるので、ぜひ探してみてください。

他にもこだわり方はいろいろあります。

シトロエンやフォルクスワーゲンなどの外国車は、カッコよさは抜群ですが、その分メンテナンスの手間も費用もかかるもの。故障すると部品の取り寄せに時間がかかったり、最悪廃盤になっていることも。修理中は営業できなくなってしまうので、見た目のカッコよさとコストパフォーマンスの悪さとのいい塩梅を、しっかりと見定める必要があるでしょう。

あと、見た目も大切ですが、内部の装飾や厨房設備への投資も大切です。ちなみに、ステンレスだと傷みにくかったり、衛生的であるというメリットがあります。

何をやりたいか、どのくらいの期間の経営を見越して作るか。お金のかけ方もそれによって変わってきそうです。

増え続けるフードトラック
まだまだ勢いは衰えない!

©株式会社Mellow

フードトラックの台数は、「TLUNCH」だけでも今年で約200台以上増えています。東京都の保健所への届出は、約3200台もあったそうですよ。

今年の10月からは大阪でも「TLUNCH」をスタートさせましたが、開業希望者はどんどん増えてきています。関西でもムーブメントの予感がしますね。来年の東京オリンピックを前に、東京・大阪をはじめ全国でフードトラックを見かけるようになるかもしれません。

そのぶん競争率も高くなり、ますますクオリティや世界観が大切になるでしょう。よりよい底上げを期待しています!

Top image: © 株式会社Mellow
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。