これからは「VRカウンセリング」の時代だ

国際的な総合化学ジャーナルであるNature Reserch(ネイチャーリサーチ)が取り上げた、VR(仮想現実)を利用したカウンセリング方法がユニークでおもしろい。

このカウンセリングでは、相談者そっくりのアバターである「クライアント」と精神分析の創始者であるフロイトに扮したアバターである「カウンセラー」の2つが登場し、相談者はこの2つのアバターを自由に往き来することができる。

カウンセリングの流れはこうだ。

VRのなかで、クライアントはカウンセラーに悩みを打ち明ける。その後、相談者はカウンセラーの視点からその悩みを聞き直し、クライアント(=相談者)に質問を投げかけたりアドバイスをおこなったりしながら“自問自答”を繰り返していく。

相談者は、カウンセラーの視点から自分そっくりのアバターを通して、「悩み」に対して客観的に向き合うことができるというわけだ。

このカウンセリングの効果を検証するため、実験には58人が参加した。

半数の29人には前述したような「自問自答形式」を採用。一方、もう半数の29人は、アバターの切り替えはなしで、クライアントがカウンセラーに悩みを打ち明け、カウンセラーは用意された文言を返答するという方法が採用された。

その結果、「自問自答形式」の方が、カウンセリング後の変化や効果を実感する人が多いという興味深いデータが出たのだ。

この実験は自分自身との対話の重要性と可能性に気づかせてくれる。今後「VRカウンセリング」はカウンセリングのスタンダードになるかもしれない。

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