「ふりかけ」感覚で味わう中東のスパイス。炊きたてゴハンと!

「ブーム到来か?」

毎年のように囁かれながら、いまだ根を下ろしたとまではいかない中東料理。けれどご存知「ケバブ」も「フムス」も、クスクスを使ったサラダ「タブレ」にしても、今年専門店まで登場した「ファラフェル」だって、どれも中東の国々が発祥。前夜はたしかに来ている!

そこで、今のうちに中東を代表するスパイスに舌を慣らしておきましょう。日本人の食生活にもハマる味です。

中東の万能調味料
「ザタール」

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ひと口に中東といっても、西アジアからアフリカ北東部までを含めると10ヵ国を超えます。その多くで使われているのが「ザタール」。中東でもっともポピュラーなミックススパイスです。

ベースは乾燥させたタイム、白ごま、スーマック。ここに塩が加わります。国ごとにそれぞれのブレンドがあり、マジョラムやオレガノ、ナッツなどが加わることも。馴染みの薄いスーマックとは、中東一体に原生するウルシ科の木に実る果実をパウダー状に挽いたもの。すこし酸味があり、赤シソに近い香りがします。

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肉や魚の下味だけでなく、直接シシカバブにかけたり、サラダのドレッシングに混ぜたり、水切りヨーグルトにふりかけるといった用途が一般的。また、レバノンではオリーブオイルを塗ったピタパンにたっぷりザタールをふりかけて焼いた、素朴な薄焼きピザ「マナキーシュ」が朝の定番メニューとして人気です。

余談ですが、このマナキーシュにチーズや野菜をトッピングしたレバノン風ピザが、次なるの黒船となる。そんな予測も。

これぞまさしく、
中東の“ふりかけ”

シーズニング感覚で使ったり、ちょい足しの味付けに用いたり、どんな料理にかけてもおいしくしてしまう万能調味料。それって、つまり「ふりかけ」じゃないか!

試しにザタールをつまんでそのまま口へ。ほら、いける。例えるならば“梅しそふりかけ”といったところ。これが炊きたてごはんに合わないわけがありません。ちょっとバターを足して醤油をたらしてもいい。悪ノリではなく、本当にいけますよ。

おにぎりにしてもOK、揚げ物の衣に混ぜたり、ディップソースに加えたり、茹でたパスタにあえたりと、アイデア次第でいくらでもザタールしてしまう。手間をかけずとも普段の食事にちょい足しするだけで、とたんに中東が近く思えるに違いありません。

比較的手に入りやすいザタール。輸入食材店のスパイスコーナーで探してみて。

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