チリの1000円台ワインが「西郷どん」みたいな理由

発音するときはやっぱり「西郷どん=せごどん」と今は言うべきなんですかね。NHKの大河ドラマにもなっている鹿児島・薩摩の生んだ英雄のこと。
で、今回ご紹介する1本「ルート・ワン ヘリテージ・レッド」。ワインができるまでのストーリーや飲み口から、「西郷どん」を思い浮かべたんですよね。

このワイン、価格は1,254円~と、チリ産らしいお手頃さ。リーズナブルではありますが、格上のブドウをブレンドして仕込まれた赤ワインでして、注目すべきはそのブドウ。

現在、ほとんどのワイン産地では、根の部分と実をつける部分の品種を変える接木を行ってブドウを育成しています。
というのも、フィロキセラという根を腐らせる寄生虫被害が19世紀半ばに流行り、その対策方法が耐性のあるブドウの根を使い接木する事でした。
ところが、チリは気候や立地からフィロキセラ被害に遭っていない唯一の国。接木せずにブドウの木が育てられるのです。

純粋に根から実まで一本の木のブドウ。だから、名前も「ルート・ワン」
大地に深く根を張った大樹のラベルもまさにそれ。

味はいかにもチリワインらしい果実味と豊かなボディ。
裾野の広い海のような旨さ・甘さ、渋さがだんだん広がります。ビーフ・シチューやハンバーグなどの煮込み料理と合いそうな濃い味わい。

これら含めて、「西郷どん」とカブったんでしょうね。一本気で純朴に描かれる人物像や、濃い顔のイメージとか。
こんなこと書いてたら、ワインの濃い赤茶色した液色も、さつまいものように見えてきました(笑)。

週末の夕飯時に飲むのもいいですが、その後の大河ドラマを鑑賞しながらでも相性がいい1本ですよ。

©2018 TABI LABO

「ルート・ワン・ヘリテージ・レッド 2013」

■産地:チリ
■ぶどう:カベルネ・ソーヴィニョン、カルメネール、シラー、プティ・ヴェルド
■色:赤
■味わい・風味:ミディアムボディ・辛口
■実勢価格:750ml 1,254円~

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