平面一枚から形づくる「ノマド生活者」向けのイス

モンゴル遊牧民の家(ゲル)は、2〜3人で作業して1時間半〜2時間程度で組み立てられるのだそう。彼らが移動を前提とした居住環境を築く一方、イギリスでは「経年優化」という言葉のとおり、古い家に価値を見出して、長く大切に暮らしています。

日本の場合、もちろん家を買って長く住む人もいれば、転々と引っ越しをする“ジャパニーズ遊牧民”も結構多いですよね。

一つのところに長く住むメリットももちろんたくさんあるけれど、「一度の人生せっかくだから」と、さまざまな土地に根付いて生活環境を変えてみる、という楽しさも。

こうしたユーザーならではの悩みといえば「移動の手間」。これをなくし、もっとノマドのライフスタイルに近づけないかと夢見てつくられたのがコレです。

©Yuichiro Morimoto Design
©Yuichiro Morimoto Design

この「SCARF CHAIR」は、ぶ厚めのビニール素材でつくられた、別名「1枚の平面からできるイス」。その名のとおり、ビニール素材を組み立てて使うものだそう。

組み立て方は、こんな感じ。

床に広げて、

©Yuichiro Morimoto Design

内側の小さいほうを組み立てておき、

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もう一枚も組み立てたら、

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その上に最初につくったほうを乗せる!

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完成!

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欠けた半円のような形の素材に1本カットを入れて、五角形を切り抜いています。その五角形が座面部分、切り抜かれた残りの円が土台に。

これなら解体すれば引っ越しの際でも持ち運びがラク。大型家具のプラス料金も払わなくて済みますね。ちなみにデザイナーの守本 悠一郎さんいわく、現在、特許出願中だそう。

ただ残念なポイントが2つ。
一つめは、現時点ではまだ商品化はされていないこと。今後このアイデアを生かした商品が世に出る可能性もあるようなので、期待大。そしてもう二つめは、体重制限がMAX70〜75kg!

我こそは“遊牧民”、と自覚のある70kg未満の方は、要チェック。

©Yuichiro Morimoto Design
Top photo: © Yuichiro Morimoto Design
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。