クライストチャーチのボートがくれた、忘れられない「じぶん時間」

少し前、南半球ではまだ秋だった4月、ニュージーランドを一週間ほど旅する機会があり、その中でクライストチャーチを訪れました。そこにあったのが、今回紹介するボートです。

世界的に見ても認知度は全然ないし、しかもザ・観光客向けなのだけれど、これが意外に(と言ったら失礼ですが)良かったんです。旅中、ビーチへ行ったりカフェでまったりしたり植物園を歩いたり、いろいろな形で朝を過ごしましたが、その中でももう一度体験したいと思えるもの。

クライストチャートのボート、「Punting on the Avon」の乗り場は2カ所。植物園を通るルートと街中を通るルートがあります。私が乗ったのは、植物園へ行く方でした。街の喧騒から離れて自然だけに囲まれた、ゆったりとした時間を過ごすことができました。

所要時間は30分。今の時期、4月〜9月であれば、10時〜16時のあいだ乗ることができますが、澄んだ空気をお腹いっぱい吸える早い時間帯がおすすめです。日本の春、つまりあちらの秋であれば、紅葉を堪能することもできますよ。

観光客向けのボートって、漕ぐ人が歌ってくれたり景色やスポットをひたすら説明してくれる場所があるけれど、ここでは必要な時に質問をしたら対応してくれる程度。でも、そこがいいんですよね。誰に邪魔されることなく、自分だけの時間を大切にできますから。

私も、ボートの上では目を閉じて、木々のにおいやすこし肌寒い空気を感じたり、水の音に耳を澄ませたりしていました。すると、日々の暮らしで見過ごしていたものが、急に愛おしく感じられたんです。

大人は28ドルで、子どもは12ドル。ちょっと高い気もしますが、忘れられない時間を過ごせると思います。

Top photo: © Mikako Kozai
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。