リアルとフィクションの「狭間」を研究する女性

コミュニケーションがデジタル化している現代から、ホログラフィーでさえも触れるようになる未来へ。

「人間の身体にはどんな意味が見出され、どのように変わっていくのか?」と、アーティスト兼デザイナーのAni Liuさんは考えた。

だから、ダンボール素材のEyerisという奇妙なヘルメットがつくられることに。時代が進んでいくつれて、忘れ去られてしまうコトを伝えるためだ。

ちなみに、目玉のような白い部分は、他人が自分の身体に触っていないと開かない仕組みになっている。

科学的空想を現実にしたら……?

Aniさんは、このような進歩するテクノロジーと人間の感覚に関係する作品を世に出している。そんなユニークなアイデアがあふれ出るようになったきっかけは、彼女自身の興味にあった。

「匂いというのは仮想現実に似ていると私はとらえています。感知した瞬間に、記憶が蘇り、感情が湧き上がります。ときには、思い出の場所に連れていってくれます。

匂いをうまく使えば、ヘッドセットで体感するような仮想現実に人を導けるかもしれません」

すべては匂いへの興味から。Aniさんは合成生物学の道を歩みはじめ、身の回りの疑問をカタチにしている。

「自分の唇のカタチで成長する植物があったらどうなるのでしょうか?時代を超えたキスができるかもしれません。女性が体内に入った精子をコントロールできたらどうなるのでしょうか?妊娠の概念も変わってくるかもしれません」

サイエンスフィクションを現実世界で表現したらどうなるのか?という大きな疑問を起点に、Aniさんはアートをつくる。

© Ani Liu
© Ani Liu
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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。