世の「やるせなさ」をリサイクルしたグラス

ストーリーは終わりからはじまる──。

そんなコンセプトのもと、あらゆる廃棄物をつかって新たなプロダクトを生み出すイギリスのクリエイティブユニット「PENTATONIC」。ゴミを宝物にかえるリメイクものは数知れず。けれど、割れたスマホの画面を使うという発想は聞いたことがない。

しかも、それをグラスにしてしまおうというのだから。

バリバリに割れたディスプレイ
そこに「宝」を見出した

運が悪かった……では済ませられないほど自己嫌悪したくなる瞬間。どんなに気をつけていても、ケアしていても、驚くほどたやすく割れるときは割れる。それが、スマホのディスプレイ。もう、諦めるしかないのだけれど、あのやるせなさは一体なんだろう。

と、すっかり脱線してしまったわけではない。なぜなら、このコップこそあの忌々しいひび割れの終着地、というか再出発の地だった。

© PENTATONIC
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多くの人の「やるせなさ」あるいは「情念」がべっとりと染み付いたバリバリのディスプレイからつくったグラスがこれ。色合いといい、質感といい、なんとなくだかディスプレイのそれだ。

© PENTATONIC
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4個セットで約6500円なら、まあ考えられなくもないし、むしろディスプレイのリサイクル品という物珍しさだけでも食指が動く。

スマホとしての役目を終え、ユーザーの元を離れ、回収したディスプレイだけを生かす。ユニークなのは、落とせばこちらも割れたり欠けたりするという点。姿形は変えても、こちらもスマホ同様に大切に扱いたくなるんじゃないかな。

Top photo: © PENTATONIC
Reference: PENTATONIC
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。