起業したらイスラエルに招待された話

私が起業したのは、2015年のことでした。その頃は、いつも「お金が足りない!」「仕事がない」「時間がない」……という悩みばかり。とにかく自由になりたくて会社を辞めたにもかかわらず、「心の自由がない~!」と嘆いていたのです。

しかし、「このままではよくない!」と一念発起。不安や雑念に惑わされず、徹底的に仕事に励みました。すると2018年の今年、中東のイスラエルに招待されることになったのです。それも、日本においての女性起業家10名のうちの1人として。

これも、小さくても一歩ずつ頑張ったご褒美なのかも!とありがたくご招待をお受けして、イスラエルで、私や会社のこれからを勉強してきました。

起業家大国、イスラエル

正直に言います。私も招待されるまで正確には理解していなかったのですが、イスラエルは別名、起業家大国と言われています。スタートアップに優しく、国が若者を含めたビジネスパーソンを応援しているのですって。

起業家であれば、誰しも一度は訪れてみたい国。その秘密や理由が知りたくて、日本から15時間以上をかけて、人口、約900万人の小さな国へ旅立ちました。

羨ましいほどの男女平等

旅程の中でイスラエル外務省を訪れたのですが、そこで聞いたのは、イスラエルの政府機関では職員の男女比がほぼ同じだということ。管理職の男女比率もほぼ同じになりつつあるそうで、世界でも稀にみる男女平等の国です。男女ともに兵役が義務づけられているので、体力の違いはあれど、女性も強い!

課題はあれど、日本とは雲泥の差。とても羨ましいと同時に、私が日本を変える!なんてひっそり決意しました。でも、兵役に従事することは絶対にしたくない、とも思いました。発言はしなかったですけどね。

ホロコースト記念館で絶望を考える

ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を忘れないようにと建てられた記念館。本当の意味での絶望とは何か……そこに向き合うことで、同じ人間として、悲惨な歴史を繰り返してはいけないと強く感じさせられました。

それと同時に、私は今、日本で何不自由なく生きていることに気づいたのです。何も悪いことをしていないのに、強制的に隔離され、殺される。考えただけでも恐ろしいこと。想像レベルですが、それは絶望としか言いようがないのだろうと思いました。

私は今、毎日を絶望の中で生きているわけではありません。そう考えると、仕事だけではなく、プライベートでも、「生きていさえすれば何でも挑戦できる!好きなことをできる!」と前向きな気持ちになりました。

大事なのは、「良いことも悪いこともきちんと知る」ということ。それをホロコースト記念館で学びました。

死海でデトックス

魚も生きられない『死海』。塩分濃度が30%もあり、死海の中に長時間入っていると皮膚がヒリヒリしてしまうこともあるそうです。

そんな死海にプカプカと浮かんでいたら、日ごろ溜まった疲れや不安で嫌な気持ちなどが毒素として排出されたよう。起業したらしたで、悩みはつきもの。人間って悩む生き物なんだな~とつくづく思います。でも、死海の海水がピリピリと全身にまとわりつくたびに、いつの間にか、心もスッキリ!まるで心の垢が落ちていくようでした。

すると、ムクムクと事業のアイディアや戦略が浮かんできたりして……。デトックスしてできた心の余裕は、次なる期待で満ち溢れていったのでした。


イスラエルでは、起業家のことをアントレプレナーとは言わず、チャレンジャー(挑戦者)と言うそう。チャレンジには失敗がつきもの。失敗したとしても、挑戦しているのだから、失敗にはならないのです。

この言葉を知れただけでも、イスラエルを訪れてよかったと思います。私はこれからは起業家ではなく、チャレンジャーとして生きていこう。そう強く思うことができました。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。