旅先では魚屋さんに寄ろう、と気づかせてくれた日南「油津商店街」の田村鮮魚店

一本釣りカツオで有名な宮崎県日南市には、“おいしい魚” を食べさせるお店がたくさんあります。居酒屋もあれば、コース料理で楽しませてくれるところもあるし、ご当地グルメとして推すところも。

そんな街に来たからには、ゼッタイにおいしい魚を食べて帰りたい。外したくないんです。

「魚屋さん」なら
間違いない

そこで、海が近い旅先なら魚屋さんに行くべし、というお話。なかなか、旅先での行動プランの中に「地元の魚屋」を入れることは少ないと思います。

実際、地方に行くと “観光客向けのもの” が溢れていることもあります。それらのほとんども決して美味しくないわけではないので、「あぁ、満足した」と帰ってしまうかもしれません。

でも、少しだけ調べたり足を運んでみたりするだけで、その土地の「本質」に触れることができるはず。そのひとつが、魚屋さん。長いあいだ地元の人に愛され続けていることがポイントです。

どこかのお店に入って「丼もの」とかを食べるのもいいんですが、あえて柵を買い、その場でお刺身用に切ってもらいました。

日南の油津商店街にある「田村鮮魚店」は、昭和41年創業の、まさに地域に根付いた魚屋さん。

たまたま買い物に来ていたおばあちゃんが、こう話しかけてきました。

「あんた、どっから来たと? 東京ね。よー、こん店に来たね。こん店は私がお嫁に来たときから通いよる店やから間違いないとよ〜」

そして
クルマの中で食べる

地カツオやいわしの刺身をドサっと買い込み、ちょっと海が見えるところまで移動して、クルマの中でバクっ。九州特有の甘い醤油をレンタカーにこぼさないように気をつけながら……うまっ。ひとくちめの噛みごたえも、そのあとのトロリとした食感も、口に残る甘みも、クセになる。

なんというか、ステーキを食べたときより、体全体にイキイキとした新鮮な力がみなぎってくるような感じ。

改めて、おいしい魚を食べると、元気になるよなぁーと。

「魚屋に行く」を
アクティビティに

地方でおいしい魚に出会いたいけど、「魚屋に行く」というのは僕自身もあまり考えたことがありませんでした。

でも、「その街でしかできない体験を!」というコピーをよく見かけますが、地元の魚屋さんに行って刺身を食べるなんて、まさにその街でしかできない体験です。

そう考えると、おばあちゃんの「よー、こん店に来たね」は、最高の褒め言葉なのかもしれませんね。

「田村鮮魚店」

住所:宮崎県日南市岩崎3丁目8-1
TEL:0987-22-3360

Photo by JAPAN LOCAL
取材協力:日南市
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。