中世から受け継がれる「本場のスパイスワイン」

2月23日(金)から、代々木上原駅近くのhako galleryにて、14~15世紀のフランスでよく親しまれていたスパイスワイン「hypocras(イポクラス)」が飲める。

体の内側から温まるスパイスのきいたワインは、古くから薬用酒として長く愛されてきた。が、今では、カルダモン、クローヴ、シナモンなどの配合を、何代にもわたって受け継いでいるつくり手は、ごくわずかだそうだ。

イベントを主催する宮原 朱未さんは、フランスのペルージュという村で、その製造元である家族と出会い、スパイスを日本に初めて直輸入することになった。

フランスの最も美しい村で味わった
体の内側から温まる「特別なワイン」の話

宮原「フランスのリヨンからバスで2時間ほどにあるペルージュは、『l'un des plus beaux Villages de France(フランスの最も美しい村)』の称号を持つ自然豊かな美しい場所です。

10世紀頃からその歴史が続いていると言われ、ガレット発祥の地としても知られています。

初めはスパイスワインと知らずに飲みました。何かを漬け込んでいて、何とも言えない深みや濃厚な旨味を感じたんです。

常温ですが、体が内側から温まるスパイスの感覚を覚えて虜に。感激のあまりすぐに飲み干して、そこにいたおじさんを質問攻めにしてしまいました。コレは何!?って。

それがイポクラスのスパイスを調合をしているパトリックさんとの出会い。そのときにスパイスをいくつか購入し、連絡先を交換。村を離れたあとも交流を続けました。

連絡を交わすうちに、家族にも会わせたいと招待され、もう一度村を訪れたんです。そのときに、村の暮らしのことや、あたりに自生するハーブとの関わりを詳しく聞いたり、スパイスを調合している工房を見学したりしました」

彼らの“いつもの食卓”に並ぶのは、マルシェで仕入れた野菜のオーブン焼き、肉のソテー、バゲットといったもの。そういった食事と共に、食前酒としてイポクラスをいただく。それが日常だと言う。

食べ終わると山歩きに出かけ、ベリーやハーブなど、自生している植物を摘む。飾り気のないワイルドな環境がとても魅力的だったとか。

 

宮原「イポクラスは、ギリシャの医師ヒポクラテスに由来していると言われています。健康維持のために親しまれていた民間療法のようなもので、そのレシピは家ごとに脈々と伝えられてきたそうです。

パトリックさんの知る限りでは、昔ながらのレシピを受け継いでいる場所はペルージュ、マコン、カルカソンヌの3箇所ほどになってしまったと聞きました」

 

ペルージュの味をどうしても紹介したかった宮原さんは、パトリックさんに相談してスパイスを日本に直輸入した。ワインとの組み合わせや熟成時間などを忠実に守り、現地の味を再現する。

 

宮原「食からひろがるコミュニケーションや思想の話が好きなんです。そこから様々な分野に繋がったり、人が何かを表現していくのも、結局は家族や仲間、その土地の人々と共有するテーブルに支えられているからこそ。

そういう感覚で、体の芯から温まるワインを飲みに、フラッと寄ってほしいですね」

 

期間中はワインのほか、自家製のチキンハム、ケーキ、コーヒー、お茶なども楽しめる。

<開催期間>

・2/23(金) 2/24(土) 12:00 - 21:00
・2/25(日)〜2/27(火) 12:00 - 20:00
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<ドリンク>

イポクラス/ウイスキー/オルゾラテ(ドイツ、オーストリア産の大麦を焙煎し、ミルクで煮出したもの)/コーヒー(シチリア産の豆”ミシェロドーロ”)/And more…!!

<食事>

仏田舎風スープ (副菜、大豆ペースト  バゲット、飲み物付き)/蒸し野菜と自家製チキンハムのサラダ (大豆ペースト、バゲット 飲み物付き) /And more…!!
>>>「hako gallary」のHPで詳細を見る

<開催場所>

hako gallary
東京都渋谷区西原3丁目1-4
>>>Google Mapを開く

取材協力 宮原 朱未
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。