フィクションだけど、フィクションじゃない写真集

山のような家具を積んだ荷車を引く人々。

現実の風景ではなく、フランスのフォトグラファーAlain Delormeさんによるシリーズ作品です。

伝えたかったのは、中国の移民労働者たちがおくる過酷な生活。

見過ごされがちな
都市の風景を切り取った

急速な成長を遂げる上海。華やかさが増す一方のこの街で、Delormeさんはあえて、光の当たらないところに目を向けました。

より良い仕事に就くために上海を訪れた移民たち一人ひとりが、この街の成長を支えてきたこと。そしてその労働がどれだけ彼らに重い荷物としてのしかかってきたのか。

そんなことがダイレクトに伝わります。

「都市のストレスは、超高層ビルで働くオフィスワーカーではなく、街中を歩いている移住者が抱え込んでいる。私の目には、彼らの姿こそが印象的だった。

写真は、人々に現実を突きつける。

これは決してフィクションではなく、現実を引き延ばしたものだ」

とは、Delormeさんの弁。

彼らが持ち運ぶ荷物は、都市の繁栄を表すような明るい色。それがまた見るものの目に「上海のいま」を訴えかけます。

アンバランスで、重たい荷物を背負った人々の姿に、何を感じるでしょうか。

Licensed material used with permission by Alain Delorme
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。