これは「日本の空気を変える」挑戦だ。

『社会運動はどうやって起こすか』というTEDの有名なスピーチを聞いたことがあるだろうか?

人々を巻き込む社会的なムーブメントが生まれる時、そこには最初に声を上げた1人目の行動者がいる。だがよく観察してみると、言い出しっぺを最初期にフォローした“2人目”こそが、ムーブメント作りに重要な役割を果たしていた、というエピソードだ。

“2人目”のフォロワーが追随の姿勢を周囲に見せていくことで、ただのクレイジーな行動者はリーダーとなり、輪は広がり、ムーブメントになっていく……。確かに始めたのは1人目だったけれど、この“2人目”こそが、真のムーブメントメーカーだとも言えるだろう。

いまここに
クレイジーな“1人目”がいる

“1人目”といっても4人組。クレイジーというよりは熱血漢。それが、『シクラメン』という男性ポップスグループだ。

公開したMVは【未完成】

12月6日に公開されたばかりのこのミュージックビデオは、なんとまだ【未完成】だという。彼らの出身地、東京・蒲田で撮影された映像で始まったかと思いきや、いきなり変顔とともに「皆の『地元の自慢』を送って!」とお願いメッセージが流れてくる。

自分たちの映像だけでは完成とは言えず、日本全国から寄せられた『地元自慢』とともに、このミュージックビデオを完成させたい!ということらしい。

そして、実は影なる“1人目”がいることもお伝えしなくてはいけない。最後まで見てくれた人はお分かりになっただろう。シクラメンとエステー社が手を組んで、このクレイジーな企画を仕掛けようとしているのだ。

インタビューに応じてくれたリーダーのDEppaさん(右)

DEppa:「エステーさんの『ドライペット』のCMで僕たちカッパになったんですけど(笑)、すごく良い反響を頂いたみたいで。『ドライペット』のCMソングを、なんとしてもフルバージョンで作って、ファンの皆とライブで楽しめる曲にしたかったんですよ。そんなことを考えながらちょうど全国ツアーを回っていて、気付いたんです。日本、スゲェ、面白いって。それで、日本をテーマにした『あっぱれニッポン!!』なんていうストレートな曲を作ったわけです」

DEppa:「でもそしたら、ライブで歌うだけじゃもったいない!って気分になっちゃったんですよ。これは日本全国の皆さんの歌にしてほしい!日本中の商店街で流れてほしい!って。だからエステーさんにこの企画を持ちかけてもらった時、これだ!って思いましたね」

「歌詞に意味なんてなくても
ほとばしるリスペクトは詰まってる」

DEppa:「日本って魅力が多すぎるんですよ、本当に。全部詰め込みたい!と思ったら歌詞の意味がなくなっちゃったけど(笑)、だからこそ“全部入り”なMVを全国の皆さんと作ることに意味があると思っていて。僕たちもまだ知らないような日本の面白いトコロを、ぜひ教えてほしいんです!」

カッパ姿のCMから日本のアンセムが生まれるとは、誰も想像しなかったのではないだろうか。3回聞いたら耳から離れないスルメサウンド、無鉄砲なまでに真っ直ぐな情熱……こんなクレイジーな1人目に、あなたはどうやって追随したい?

私たちをとりまく社会に様々な事が起こっているいま、「日本はいいとこ多すぎる!」と、いつからストレートに言えなくなっただろう。いつから明るい話題よりも暗いニュースを好むようになってしまったのだろう。この曲を全国に届けることで、まさに日本の空気を変えようとしている彼ら。『ドライペット』から始まっただけに、じめじめした日本の“除湿ソング”とも言えるような気がしている。

あなたの“2人目”としての参加こそが、日本の空気を変える大きなムーブメントを起こすキッカケになるかもしれない。必要なのは、いま手元にあるスマホと、地元の魅力を伝えたい!という想いだけ。

※参加応募は締め切りました。(2017年12月20日)

そして遂に、MVが【完成】

予想をはるかに超える応募をいただき、紹介できる写真や動画が限られてしまったが、間違いなく47都道府県、全国の皆さんの力を集結して作った作品がここに完成した。シクラメンの人懐っこさや、シクラメンを愛するファンの思い、そして日本を、地元を愛する参加者の楽しげな様子が伝わってくる。

そうだ、これでこそ、シクラメンとエステーが作りたかったミュージックビデオの【完成】だ!

撮影風景のオフショットを
ちょっとだけ公開

このプロジェクトは、何よりシクラメン4人の「人間らしさ」や「愛らしさ」なくては始まらなかった企画だ。想いのままに全部詰め込みすぎて、歌詞の意味がなくなっちゃった、なんていう真っ直ぐさすら、彼らを表すエピソードそのものなのだと思う。そんな彼らのひととなりが伝わる撮影メイキングを、最後に少しだけ紹介したい。

蒲田で大人気の餃子をほおばる!

こちらは駅ビルの屋上にあるレトロな遊園地。こんなところが蒲田にあるなんて知らなかった!

蒲田は商店街もディープで最高なんです。

渋い蒲田温泉にてキメポーズ。

Reference:TED.com