永久保存版の遠い日の記憶。

これからずーっと、死ぬまでとっておきたいモノって何だろう。恋人からもらった指輪、苦労して手に入れた栄光のトロフィーなど。人によって一生の宝物はきっと違う。

ガラス瓶の中にノスタルジックな風景が写し出された、Christoffer Relanderによる「JARRED&DISPLACED」というプロジェクト。瓶の中の景色を眺めて、じっくり大切なコトについて考えてみよう。

思い出を逃さないように。

はじめに伝えておくと、瓶の中に何か入れているのではなく、一コマに複数の画像を写す多重露光の技術により生まれた作品。

幼少期に祖父と一緒に田舎で虫や草花を集めて瓶の中に詰めた思い出を、今だに鮮明に覚えているというChristoffer。自然に囲まれた町で、森で遊んだり、冬になると雪の積もった丘をソリで滑ったり。彼にとって、少年時代の記憶は何よりもかけがえのないものなんだ。

他の人から見ると、何気ないような瓶の中身。でも、自分にとっての一生の宝物って、忘れたくない思い出なんじゃないかと私は思った。

手に取れるものではなく、時間の流れとともにどんどん愛しくなる“カタチのない”もの。だから、Christofferは子ども時代に感じたことを逃さないように封をした瓶を写し出したのかもしれない。

Licensed material used with permission by Christoffer Relander
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。