「希望のウィッグ」。困難のなかでも強く、たくましく。

「自分が誰かにできることはそう多くない。けれど、きっと何かある」こう信じて、ひたすらウィッグを作り続ける女性がいます。目的は、癌を患い闘病する子どもたちに笑顔を届けること。

ボランティア団体「The Magic Yarn Project」を立ち上げ活動を続ける、くだんの女性はHolly Christensenさん。一体どのような経緯があったのでしょう?身近に起きた思わぬ出来事が積み重なってのことだったようですが…。

自分ができることを「全力」で

冒頭のHollyさんの想い、それは彼女が看護師の仕事を通して感じたこと。「困っている人が望むことには応えてあげたいけれど、全ては無理なのは分かっている」と。

そんなある日、友人の娘が癌だと診断されました。Hollyさんは、自分には何ができるのかを考えます。そして…、

得意の編み物を生かしてウィッグを作ることに。完成したものを送ると、ドレスを着てこのとおり、すっかりお姫様気分の女の子の写真が、Hollyさんの元に送られてきました。ポニーテールの部分を大切そうに抱えている表情がとっても嬉しそう。

「『病気の恐怖にさいなまれていた娘が、飛び回ってはしゃぐ姿を見れた』と友人は喜んでくれました」。これがHollyさんの原動力に。

この出来事がきっかけとなり、Hollyさんは友人を数名集め、ウィッグを作り続けることに決めたのです。友人の娘と同じように、癌で苦しむ子どもたちのために。

数十個ものウィッグを仕上げると、SNSで紹介し、寄付金を募りました。すると…、多くのメディアに取り上げられて、ウィッグは拡散されていったのです。

自分たちの活動が徐々に大きなムーブメントになっていくことを、彼女はこのように振り返ります。

「1度で終わるようなプロジェクトではないと感じました。もっと大きなものになっていくんだと」

「ただのウィッグだから、別に大したことじゃないんですが、受け取った子どもの親から『子どもの笑顔を見れて嬉しかった』というメッセージが届くんですよね」

ディズニーキャラクターのように
困難の中でも強くたくましく

現在ウィッグ作りには、子どもからお年寄りまで、幅広い年代の人が参加しているそうです。もちろん全員無償で。同団体のWEBサイトによると、これまで子どものために届けたウィッグの数は、およそ4,300個以上。

オンラインで注文でき、種類は、アリエル、エルサ、ベルなど、どれもディスニーキャラクターにインスパイアされたものばかり。理由は、子どもたちに、困難に直面する中でも希望を見据えて暮らす、彼女たちのようになって欲しいからということです。

Licensed material used with permission by The Magic Yarn Project
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。