東京のど真ん中で、泊まって遊ぶ。昔の友人との、こんな1日

高校時代からの親友が、東京に遊びに来る。 

地元に残った彼女と東京に出てきた私の人生は、もう全く違った方向に進んでしまったように思える。なんでも一緒だった高校のときと違って、共通の話題も好きなものも変わった。何より、もう随分、年齢も経験も重ねた。

さぁ、今日は彼女に、どんな東京を案内しようか。

圧倒的に大きな時間の流れで
時を忘れさせてくれる日本橋を歩く

「離れていた時間を埋められるかなぁ」なんていう僅かな心配が頭をよぎる。そんな時は、流行の最先端を追う街に行くのはやめて、日本橋や京橋エリアを歩こう。

再開発で生まれ変わった新しい顔を持ちつつも、江戸の粋と伝統が息づく街。江戸から平成まで脈々と続く点と点を辿っていけば、長い間変わらない、普遍的なものが見えてくる。高校を卒業してから20年経っただなんてこと、嘆く必要なし。もっともっと大きな時間の流れが、この街にはあるのだから。

東京で四代続く
老舗×オーガニックな鰻を頬張る

Photo by 八重洲はし本

東京駅まで友人を迎えに行くと、見慣れた笑顔が改札から出てきた。こうして会うのは久しぶりなのに、“見慣れた”なんて思うのはきっとSNSのせいだ。

何から話そうか……と戸惑う時は、美味しいごはんを食べるに尽きる。駅から歩いて5分の『八重洲はし本』で、四代目店主が焼き上げる極上のうな丼を頂こう。

丼にどどんと乗ってくるのは、『泰正オーガニック鰻』。家族経営の小さな池で、十三年間無投薬。想像を絶するような手間ひまをかけて育てられた鰻を待つ間、互いの近況を共有する。「お昼から鰻だなんて、大人になったね」と笑いながら。

大人になっても、やっぱり“コレ”
きれいな三角形をしのばせて

Photo by 榮太樓總本舗

「今日はさ、江戸時代からある飴やさんに行ってみない?」と提案し、向かったのは『榮太樓總本鋪』

小さな可愛い三角形の飴は、発売当初からその形を貫き続けている。平成に入り販売がはじまった、国産果実使用・無香料・無着色のフルーツキャンディも、製法そのものは江戸時代から変わらずだ。

「わー!カワイイ!」と喜ぶ彼女を横目に、「授業終わるたびに、いつも甘いもの食べてたじゃん(笑)」と高校時代の想い出が蘇ってくる。やっぱり、変わってないこともあるみたい。

伝統の技を「おそろい」で

この年になってくると、たとえば日用道具ひとつとっても「長く使えるもの」を選びたくなる。

日本橋に行くならと狙っていたのが、『うぶけや』の爪切り。これが、とにかく素晴らしい逸品だという噂を聞いていたからだ。こんなにも、重厚な輝きを放つ爪切りなんて見たことがない。何十年かぶりに、ふたりで「おそろい」を買うのもいいかもしれない。

「久しぶりに…プレゼント交換でもしちゃう?(笑)」

銀座のはずれの名店で
再会を祝う乾杯を

Licensed material used with permission by ビストロシンバ

住所は銀座なのだけれど、目印は京橋JCT。銀座のメジャーエリアではないにも関わらず、予約が取りづらいほどの人気店『ビストロシンバ』がある。ディナーにはここを、随分前から予約しておいた。

フランスで約10年の修行を積み、クラシックから最先端のフレンチまでを知ると言われているシェフがいる。わざわざ足を運ぶ価値がある名店は、こんな日のおもてなしにぴったりだ。

昔に戻りたい?なんて例え話をしてはみるけど、本当は全然戻りたくなんてない。こうやって、大切な人のために自由に時間やお金を使えること。大人になって良かったと、心の底から思える瞬間。

文化と時間が交差する
京橋エリアに宿を構える

そんな日本橋・京橋エリアをめぐる1日の最後に向かったのは、今日のために厳選して予約を入れた三井ガーデンホテル京橋。2016年の秋にグランドオープンしたばかりのホテルだ。限られたふたりの時間を大切にしたいから、今夜は私も泊まることにした。

東京駅からも徒歩5分という至極便利な立地にあるから、遠方からの友人を迎え入れるのにはもってこい。東京駅に着いたらそのまま荷物を預けに行くことも出来るし、ショッピングを楽しんだ後、夕食前に立ち寄って身軽になることだって出来る。そういうところが、実はすごくありがたかったりするのだ。

ホテルのピシッと整えられたベッドを見るのは、どうしてこんなにも心が躍るのだろう。枕元には江戸時代に流行した「判じ絵」という遊びで、「京橋 良き旅を」のメッセージが描かれている。

かつて京橋という場所は、日本橋から京都へ向かう道で最初に渡る橋として重要な意味を持っていたのだそう。その様子は歌川広重の「名所江戸百景」にも描かれている。そんな歴史と文化へのリスペクトが、このホテルでは随所で見つけられるから面白い。

過去のこと、そしてこれからのこと……。時間を忘れて話し込んでしまった日は、少しだけ朝寝坊したいところだけど、やっぱりホテルは朝ごはん

『三井ガーデンホテル京橋』の目玉は、あのメゾンカイザーのクロワッサンが、朝からビュッフェで頂けること!目移り注意、食べ過ぎ注意。色とりどりの野菜も産地と旬にこだわっているようで、一つひとつ、とても丁寧に準備してくれていることが伝わってくる。

さ、朝食で元気をチャージしたら、残されたあと少しの時間を満喫するべく街に出よう。せっかく京橋に泊まったのだから、今日は銀座にも行ってみたい!という彼女のリクエストにも応えよう。『三井ガーデンホテル京橋』からなら、生まれ変わった銀座の街もスグだからね。