職場で高いパフォーマンスを発揮する人が、実は心がけていたこと。

「成功」と「幸せ」を同時に手に入れるためにはどうすればいいか──。

この議題を深堀りしてくれるのは、Jeff Haden氏。キャリアに関する数々の記事を「Inc.」に掲載してきた彼は、高いパフォーマンスについて20年間リサーチし、『High Performance Habits: How Extraordinary People Become That Way』の著者でもあるBrendon Burchard氏にインタビューしました。以下に、高いパフォーマンス力がある人の6つの習慣を、彼の言葉でまとめました。

01.
物事の重要性を明確にする

目標に向けて高いパフォーマンスを発揮したいのなら、自ら物事を明確にしよう。誰かがやってくれるのを待っているのはNG。デキる人たちは、「新年が明けてから抱負を立てよう」などというように、先延ばしにしたりはしない。

私がオプラ・ウィンフリーと仕事で一緒になった時。彼女は打ち合わせを始める際、「この打ち合わせの目的はなに?どの点が重要?」と私に問いかけてきたのを覚えている。

高いパフォーマンスを発揮する人は、重要な点をクリアにしてから物事に取り組むことを心掛けるだろう。そうすれば、本題から逸れることはないし、逸れたとしても軌道修正しやすいからだ。

明確さを求めるときに重要なことは、個人、スキル、社会性、そしてサービスだ。自分の理想像は?社会でどのように振舞っていきたい?どのようなスキルを身につけていきたい?どのようなサービスを提供したい?こういった質問に答えられると、周りに差をつけやすくなるはずだ。

02.
「休憩」のとり方がうまい

ある調査によると、私たちが日中、実際に疲れを感じ始めるのは午後2〜3時頃という結果が出ている。となると、退勤時間にはヘトヘトになっているなんて人も多いのでは?

一方、忙しなく動きまわる生産的な人ほど1日の終わりに疲れを見せないもの。その秘密は、タスクとタスクの合間にとる「休憩」にあるそう。

高いパフォーマンスを発揮できる人は、仕事と仕事の合間に休憩時間をうまく挟み、日中を通してエネルギーチャージをしている。

例えば、目を閉じて瞑想するだけでもOK。ほんの少しの時間でもカラダの緊張をほぐしておくと、次の仕事にも全力で取り組める。

職場で創造性と効率性をアップさせるためにも、45〜60分置きに短い休憩をとろう。「忙しいとなかなか休むヒマがない」なんて思うかもしれないけれど、まずはできる範囲でこの時間枠を意識してみること。

03.
成功する「必要性」を見出す

そもそも、なぜ高いパフォーマンスを発揮する必要があるのか。大きな仕事を任されたときは、まずこの質問を自分に問いかけてみて欲しい。

オリンピックの陸上競技で金メダルを獲得した選手と仕事をした時、私は彼にこう問いかけた。

「対戦相手がたくさんいる中、1/100秒差で勝敗が決まってもおかしくない状況下で、あなたならどう勝者を予想しますか?」

この質問に対して彼はこう答えた。

「『母親のためにやっている』という選手を選びますね」

私はこれまで、ハイパフォーマーと呼ばれる人たちの中でも、トップにいる15%の人々と数え切れないほど話してきましたが、彼らは皆「なぜ成功する必要があるのか」という質問をつねに心に留めていた。それ以前に、彼らは成功をアイデンティティーそのものと結びつけていたのだ。

自分のパフォーマンスをアイデンティティーに結びつけることで、彼らは恥ずかしくないレベルのパフォーマンスを発揮することを常に意識している。

つまり、完成度を高める「必要性」を追求することで、彼らはハイパフォーマンスを発揮しているのだ。高い完成度に必要なものは、情熱でも欲望からでもなく、「必要であるから」と解釈してみよう。そのためには、まず誰のために成功する必要があるかを明確にすること。

「高いパフォーマンス力を発揮することは、誰に求められているのだろう?」

声に出して自分に問いかけてみよう。私も自問してみると、集中力がグンとアップする。家族、チームメイト、同僚、顧客でもいいので、とにかく「誰のためにやっているか」そして「なぜ彼らのためにやるのか」を声に出してみて欲しい。

ハイパフォーマーになりたいのなら、高いパフォーマンスが発揮できるメンタルを養う必要がある。また、「成功する必要性」を考察できると緊急性も生まれるため、より完成度の高い仕事ができるようになるだろう。

04.
先を見据えて、
なにが必要か見極める。

ハイパフォーマーは、必要なものだけに目を向けることで生産性アップを目指す。ジョブズがAppleに復帰したとき、彼は製品ラインを減らすことでひとつひとつの質を磨き上げた。大事なものにフォーカスする。必要なことは、それだけなのだ。

さらに、ハイパフォーマーとは、目標を達成するために5歩先を見据えているもの。だからこそ、目標に向かって確実に進歩することができる。

私はこの概念を知ってから、プロジェクトへの取り組み方がガラっと変わった。何事も取りかかる前に、目標にたどり着くまでに必要なものを考えるようになったから。さらに、途中でぶつかるであろう障害物も予測するようになった。そして、そのステップを踏むために必要なスキルも思い浮かべるようになった。

今となっては動画をつくれるようになったが、オンラインコースを始めた当初、私は動画制作に関する知識をまったく持っていなかった。テクノロジーも喋ることも強みじゃなかった私にとって、「諦めずにひたすら取り組み続けること」がひとつの重要なステップだったのかもしれない。

おもしろいことに、ハイパフォーマーたちはこれを無意識のうちに実行に移していた。彼らは目標到達のために必要なスキルを素早く見つけ、ひたすらそのスキルを磨き上げることに時間を費やしていたのだ。

これはきっと、あなたにもできること。

05.
周りに成長する機会を与える

人に考えさせること、そして成長できるようチャレンジを与えることで、ハイパフォーマーは「影響力のある存在」になっていく。

価値観を共有し合うことは、いわば互いの人生に影響を与え合えることと同じこと。ハイパフォーマーはよく「こういうふうに考えてみたらどう?」「こういう考え方はどう思う?」と新たな視点から物事を捉える。それがポジティブな考え方だと、なお影響力は強まるだろう。相手がその価値観を自分のものにできて、ようやくあなたは「影響力がある人」になるのだ。

でもそれだけじゃない。影響をうけた人たちのことを思い出してみよう。親、保護者、教師、誰でもいい、「彼らがいたからこそ自分をより知ることができた」、「成長できた」、「周りの見方が変わった」など、あなたの人生においてこのような影響力を持つ人を思い出してみて欲しい。

その人が頭に浮かんだら、なぜ彼らがそこまであなたに影響力があったのか、彼らからどのように刺激をうけたのかを考えてみること。彼らはきっとあなたが成長できるよう、そして常にベストの自分であるよう、背中を押してくれたのではないだろうか?

つまり、ハイパフォーマーとは、大切な人の「成長」を促してくれる存在でもあるのだ。影響力があるかないかの違いは、「成長させてくれるかどうか」にある。

06.
自分の大切な人のために、
勇気をふりしぼる。

「勇気」についての膨大なリサーチした結果を共有しよう。ハイパフォーマーは、リスクや困難、未知の出来事や恐怖に立ち向かったとき、どのような行動に出ると思うか?

まずひとつ目は、意見を主張する。彼らは自身の野望などを他の人に比べ、抵抗なく喋る。さらに、周りの野望まで代わりに語ってしまうくらい。つまり彼らは、誰よりも素直にコミュニケーションをとることを得意とするのだ。

ふたつ目に、「頑張らなければいけない事実をありがたく思うこと」。何をするにも、頑張る必要はある。そして自分の限界を越えることに挑戦してこそ、度胸は身につく。そして、どのような壁にぶつかる可能性があるのかが早い段階でわかれば、あらかじめ対処法を考えて対処することができるだろう。

しかし、このプロセスへの取り組み方は人それぞれ。「忍耐力が必要」と言う人もいれば、「偏見を持たれたって構わない」と言う人もいるだろう。いずれにせよ、彼らは困難な出来事に対して感謝の気持ちを抱いているようだ。「壁があるからこそ、それを耐え抜く自分をつくることができる」と。

障害があらわれるとひたすら文句を言う人がいるが、ハイパフォーマーは基本的に文句を言わない。泥に足を突っ込んで服が汚れたってへっちゃら。どれだけ疲れていても、行動を起こすことで結果が出せると強く信じているから。

前もって、成功への道は大変だと自分に言い聞かせておくと、不安もほぐれるかもしれない。壁を乗り越えられてこそ成功が手に入るのだと心得ておけば、怖いものなんてないだろう。

さらに、誰のためにその勇気を振り絞るかを明確にしておくといいだろう。以前まで私は、「世界を変える」などという大きなミッションを掲げることが原動力になると信じていた。けれど実は、勇気は「誰かのために」振り絞るもの。妻、旦那、家族、助けたい人がいるからこそ、不安な状況にわざわざ足を踏み入れ、人はチャレンジに立ち向かうのだ。

障害物を乗り越えながら確実に成功を手に入れたいのなら、世界を変えようなんて思わないこと。幸せにしたい人を念頭に置いて、彼らのために一生懸命力になること。

必要な勇気は、それだけだ。


 
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Licensed material used with permission by Jeff Haden
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