「したいことをしたらいい」。夫の遺言を受けて、妻は「はなれ」をつくった

地元に思いを寄せ、写真を撮り続けた夫。

そんな夫の意思と写真を引き継ぎ、地元を訪れる人たちのために、妻は「ゲストハウス」をつくった。

本当に離れた場所にある
ゲストハウス「はなれ」

「はなれ」は、徳島県那珂町木頭地区という「木頭ゆず」が特産の地域にあるゲストハウス。Googleマップで確認すると分かるように、徳島と高知の県境の山里に位置している。本当に離れた場所にあるわけだけど、だからこそ「はなれ」は誕生したのだ。

「はなれ」をつくったのは、中野みね子さん。夫は、地元木頭(きとう)を撮り続けたアマチュアカメラマンの中野健吉さん。数年前、夫の健吉さんが病に倒れたとき「したいことをしたらいい」という遺言を受けて、健吉さんの写真を展示する「ケンズ ギャラリー カフェ」の運営や、音楽イベントの開催を行ってきた。しかし、木頭には遠方からのお客さんたちが宿泊できる場所がなく、残念に思っていた。そこで、「したいことをすればいい」という言葉に従い「はなれ」をつくったのである。

訪問客のためを思ってつくられたゲストハウスには、木頭の自然を満喫できる、静かでくつろげる空間が広がっている。

木頭の秋は、収穫前の黄色いゆずで「黄金の村」になるらしい。ここ「はなれ」から、健吉さんが撮り続け、今ではみね子さんが引き継いでいる、ゆず色に輝く村を眺めてみたい。

はなれ hanare
徳島県那賀郡那賀町木頭出原字カワシマ

Ken'sギャラリー
電話番号 050-8800-6103
定休日 月曜日
営業時間 9:00~20:00(冬期 10:00~19:00)
※「はなれ」に宿泊を希望する際は、「Ken'sギャラリー」へ問い合わせを。

Licensed material used with permission by はなれ hanare
Photo by 下村康典
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。