うす暗い通路の先にあった、大阪を代表するフワッフワ。

ここは、大阪ミナミの宗右衛門町にある、大日館ビル。THE・雑居ビルとも言うべきこの場所に足を運んだのにはワケがあります。それは、

「大阪を代表する、ふわふわ系お好み焼がある」

というウワサを聞きつけたから。

うす暗い通路の先には「お好み焼、焼そば、モダン焼」の文字がおどる提灯。店の名前は「お好み焼 だん」。

じつはここに来るまで、ずっと気になっていたことがあります。関東に住む人間にとって、大阪=お好み焼のイメージがあるのは言わずもがなですが、おいしいお好み焼とそうじゃないお好み焼の見極めポイントが、いまいち分からなかったんです。

どうしても事前に把握しておきたかったので、知り合いの大阪のおっちゃんに聞いたところ、こんなヒントをもらいました。

「ひっくり返したとき、ドスンってなったら、ちょっとブルーになんねん」

……意外でした。

もちろん生地の方向性、具材、焼き加減、ソース、などいろいろな判断基準があるのでしょうが、まずは目の前の店の暖簾をくぐってみたいと思います。

「豚玉、ひとつ」

スタンダードに攻めたかったので、注文したのは「豚玉」、780円。40年以上このお店の味を守り続けている寡黙な店主、山本さんが手際よく焼き始めてくれます。

ひっくり返したときの音に耳をすますと、軽い…!

「お酒と一緒に食べはる人も多いので、重いよりは軽めのほうが合いますからね。飲んだ帰りに寄ってくれる人でも食べやすいようなお好み焼やと思いますよ」

からしが混ざったソースは、スタンダードだけど、とてもおいしい。

ミナミのはしごは、
ここから始まる。

ふわふわ。…いや、フワッフワ。
ペロッと食べてしまいました。

常連さんにも話を聞いてみると、

「イカ焼きとか、サイドメニューもおいしいんですよ。お腹いっぱい食べても3,000円くらいやし、僕の場合は、男友達と遊ぶときも女の子とデートするときも、“ここからミナミのはしごが始まる”っていう感じなんですわ」

と、なるほどなご意見。夜のお店への出前なんかも、たくさん注文が入るそうです。

このフワッフワに出会って僕はこの日、大阪の人たちがお好み焼とゴハンを一緒に食べる理由も、なんとなく分かった気がしました。

 

「お好み焼 だん」

住所:大阪府大阪市中央区宗右衛門町1-14 大日館ビル 1F
TEL:06-6211-8708
営業時間:
月~土 17:00~翌4:00(LO 3:30)
祝 17:00〜21:00(LO 20:30)
夜10時以降入店可、夜12時以降入店可
定休日:日曜日

Photo by JAPAN LOCAL
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。