この食器は「食べ過ぎを防止する」だけじゃない。

食べても食べてもお腹がすく。少しの量でお腹いっぱいになったらいいのに…って考えたことがある人に朗報です。

無理せず自然に「食べる量」を減らすようデザインされた、こちらの食器。騙すのは胃袋ではなく、視覚。

見た目で変わる食の満足度

「食事の満足度は、見た目によって左右される」

これは東京大学のある研究チームが、夕食時の人間の行動を分析して得た結果なんだとか。このロジックを元にデザインされたのが表題の食器。遊び心を呼び覚ますワークショップに定評のある「Studio PlayFool」による、ユニークな見た目。半分の量でも空腹が満たされるとしたら…喉から手が出るほど使ってみたい!という人も多いはず。

にしても、どうして半分の量で満足できてしまうのでしょう。

じつはこれ、半分の食べ物が鏡に反射して、ユーザーには倍量に映るというトリック。たったこれだけなんです。それでも、倍の量食べているような錯覚でお腹がいっぱいになるという仕掛け。

「いつも通り」と錯覚させる食器

例えば、朝ごはんならこんなイメージ。

半分がミラーになっていて、奥行きがあるように見えます。それをすくうスプーンにも同じ仕掛けが。

こちらはカップもお皿も半分。でも、映る量はちゃんと一人分。

ディナーだってご覧の通り。確かにお肉が厚く見えます。もちろん、フォークとナイフも同じ設計。

アイデアの背景にある
骨太な「食」への意識

ところで、これが単なるダイエット目的で開発されたものだとしたら、いかにもな話ですよね。しかし、プロダクトチームの真意はそこではありませんでした。

背景にあるのは食料問題。もちろん健康のために食べるのは、必要不可欠なこと。それでも、食べ過ぎてしまうことで引き起こる問題は少なくありません。

肥満による健康被害、食べきれず残してしまい廃棄してしまうことも。

それだけではありません。人口増加、環境問題、自然災害など様々な問題で引き起こる「食糧不足」も懸念されていますよね。

この食器はこうした社会が抱える問題に、クリエイティブの力で解決を計ろうとデザインされたものでした。

限られた量しか食べられない日は、突然きてしまうかもしれません。今はまだ想像出来ないけれど、そんな日がきてしまったとき、この食器が救世主となってくれるのかもしれませんね。

Licensed material used with permission by Daniel Coppen, Saki Maruyama
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。