『海の見える駅』とっておきの5選。西日本編

WEBサイト『海の見える駅』制作者で、これまで全国各地300駅近くの「海の見える駅」を訪れてきた村松 拓さん(インタビューはこちら)。

前回は、村松さんおすすめの『海の見える駅』5選【東日本編】を教えてもらいました。

今回は【西日本編】!  村松さんご本人のおすすめコメントとともにどうぞ。

01.和深駅
(和歌山県/JR紀勢本線)

『海の見える駅』和歌山

和深駅は、真っ青に澄みわたった太平洋を一望できる駅です。

紀伊半島の先端で、本州の最南端でもある、和歌山県串本町にある和深駅。高台のホームからは景勝地の「枯木灘」を一望できるのですが、その青色は私の今まで見た太平洋のなかで最も澄んでいました。実は、「枯木灘」は黒潮が本州に最も近づく海域。黒潮は栄養分であるプランクトンが少ないため、透明度も高いのだそうです。

02.安和駅
(高知県/JR土讃線)

『海の見える駅』安和駅『海の見える駅』安和駅

安和駅は、ビーチの眺めを独り占めできる駅です。

待合室が置かれているだけの小さな無人駅ですが、そのすぐ眼下には、弧を描いたビーチが広がります。シュロの木も相まって、ホームに降りるとそこは南国の情緒。列車も1日に6往復半しか停まらず、人影も少ないため、ビーチを独り占めした気分に浸れます。

なお、安和駅のある土讃線は、海沿いをほとんど通りません。その分、車窓に一気に海が広がった瞬間のワクワク感もひとしお。思わず降りたくなってしまうはずです。

03.下灘駅
(愛媛県/JR予讃線)

『海の見える駅』下灘駅『海の見える駅』下灘駅

下灘駅は、人の心が通い合う、海の見える駅だと思います。

瀬戸内海を見下ろす眺望の良さ、夕陽の美しさ、そしてフォトジェニックなたたずまいから、ネットにとどまらずテレビでも話題になった無人駅です。今では人が絶えずやってくるほどの人気ぶりなのですが、だからこそ出会える、素敵な場面も多くあります。

特に個人的に印象的なのが、観光列車「伊予灘ものがたり」が駅を発つタイミング。ホームいる人々がいっせいに手を振って見送ると同時に、乗客も笑顔で手を振り返す。時間に追われないのんびりとした雰囲気が、自然とそうさせてくれるのかもしれません。

列車待ちの間に、旅人の方たちや地元の方と会話が弾んだのもこの駅でした。

04.馬路駅
(島根県/JR山陰本線)

『海の見える駅』馬路駅

馬路駅は、全国屈指の鳴り砂の浜を望む駅です。

鳴り砂とは、砂の上を歩いたときに「キュッ」と鳴る砂のこと。馬路駅は、そんな鳴り砂の海岸のなかでも特に有名な「琴ヶ浜」を見下ろす場所にあります。ホームから見る美しさも去ることながら、歩いてもわずか5分ほどの距離。

「琴ヶ浜」はゴミがなく、砂粒も均一で、海水もとても澄んでいるのが特徴。海の見える駅のそばの砂浜では、これ以上に美しいところをいまだ知りません。

なお、世界遺産の石見銀山や、古い町並みの残る温泉津温泉も近く、観光と合わせて訪れやすい点もおすすめです。

05.大三東駅
(長崎県/島原鉄道)

『海の見える駅』大三東駅

大三東駅は、下灘駅と並んで、西日本でひそかにフォトジェニックな駅だと思います。

長崎県の島原半島にあり、ホームのすぐ真横は有明海。その近さはほぼゼロ距離。他のどの駅よりも海の近くにホームがあります。夕日は見られませんが、海の彼方からは朝日が昇ります。静謐なホームから望む朝焼けは、まさに息を呑む光景です。

また、有明海は干満の差が日本一激しいため、時間帯によって一面の干潟だったり、海水が満ちていたりと様々な表情が楽しめるのも特徴です。

今週末は、徒歩0分の景勝地、海の見える駅へ!

Licensed material used with permission by 村松 拓
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