タカハシマイさんが偏愛する5つのもの(音楽、本、洋服 etc...)

人気バンド・Czecho No Republicのメンバーであり、モデルとしても活躍中のタカハシマイさん。そんな彼女の鋭敏な感性に触れた5つの“フェイバリット”をご紹介。ファンタジックなものから実用的なものまで、とても興味深いラインナップとなりました。気になったものはぜひチェックしてみて!

#FAVORITE.01
椎名林檎 / 加爾基精液栗ノ花

タカハシマイ:椎名林檎さんは、もう中学生の頃からずっと聴いてますね。もちろん、東京事変も。林檎さんにバンド的なものを教えてもらったというか、女性ボーカルのバンド・サウンドってかっこいいなって刺激を受けてきた人です。

ライブでも指先1本1本の動きまで考えられているような、もう全部が美しいんですよね。女性らしいセクシーな立ち振る舞いとか、ちょっと挑発的なところとか。例えばライブを観ていても、たまに私はこけたりステージから落ちたりするんですけど、林檎さんは絶対そういうことないだろうなって。

 ――ステージから落ちちゃったんですか?!

タカハシ:2回くらい落ちたことがあって(笑)。興奮して全然下を見ないで動いてしまうので…。林檎さんは本当にパーフェクトっていうか、何もマイナスポイントがないように見えて、すごいなって思います。到底そんな存在にはなれないけど、やっぱり憧れますよね。

アルバムで言えば、いちばん刺激を受けたのは『加爾基精液栗ノ花』っていうすごいタイトルのアルバムがあって。音がない曲間の部分まで考えて作られていて、全部がストーリーとして繋がってるみたいな感じなんですよね。トータルでひとつの作品になってて、そういうのを聴いたことがなかったので、「こういう作り方もあるんだ!」って。

それから林檎さんが好きって公言している洋楽とかも聴くようになったので、結構視野が広がっていきましたね。

#FAVORITE.02
チェコのアニメーション

タカハシ:これはチェコ(チェコ・スロバキア共和国)のアニメで、すごいファンタジックで“東のディズニー”とも呼ばれていて。

もぐらのクルテク』と『アマールカ』はチェコアニメの中でもすごい有名で、日本でいえば『ドラえもん』みたいな国民的なアニメで。チェコでは子どもが寝る前に観るそうで、私も寝る前に観ようと思ったんですけど、『アマールカ』とか可愛い感じなんですけど、意外と怖いところもあって。

例えば羊が変な薬草を食べちゃって、すごいサイケデリックな映像になったりして、「これを子どもが観るんだ!」みたいな。すっごいサイケでおもしろいんですよ。

 ――逆に覚醒してしまいそうですね。

タカハシ:そうそう(笑)。チェコアニメってヒーローが助けに来るとかじゃなくて、自然に太陽がふわ~って力を貸してくれるみたいな、そんなことあり得ないだろうってツッコミどころも満載なんですけど、押しつけがましくなくて、すごく優しい空気が流れてるところが好きですね。

色彩もきれいで、絵の具で描いたようなやわらかい風合いだったり。緑でも、いろんな緑があって、深い緑色とかすごいきれいなんですよ。

最近チェコアニメとCzecho No Republicのコラボレーションっていう夢が実現したので、とてもうれしいです(詳しくはこちら

#FAVORITE.03
村上春樹 / 海辺のカフカ

 ――もともと読書はお好きだったんですか?

タカハシ:小学生の時は『ハリー・ポッター』とか、現実にはないファンタジックな話が好きで。魔法とかにすごい憧れを持ってて、「絶対、私も魔法使える!」って思うようなヤバい子だったんですけど(笑)。本をガッと読み始めたのは、考えてみたら村上春樹さんがきっかけだったかもしれないです。

最初は、たしか『ねじまき鳥クロニクル』を読んで、一気にハマりました。この『海辺のカフカ』も日常の話なのに急に怪物が出てきたり、非現実的な世界が急に飛び出してきたりとか、そいういうところがすごく好きで。

 ――じゃあ、ほとんどの作品は読破されて?

タカハシ:そうですね。ひとつには決められないですけど、この『海辺のカフカ』とか、『国境の南、太陽の西』も好きですね。ストーリーが現実的というか、恋愛系の物語だったと思うんですけど、なんか生々しいところが好きです。自分がその世界に入っていく感覚になるというか…。読んでいると、ずっとその世界に浸っていたくなりますね。

#FAVORITE.04
伊藤丈恭 / 緊張をとる

タカハシ:私、ライブとかですごい緊張しちゃうんですよ。それがイヤで、緊張のせいで自分がコントロールできなくて悩んでいたというか。解消できた方が自分にとって絶対良いだろうと思っていろいろ探してたんです。

それで出会ったのがこの本で、めっちゃおもしろいんですよ。誰でもみんな緊張すると思うんですけど、その回避法というか実践方法とかが書いてあって。

スナックのママがお客さんに教えてくれるという設定で、ストーリー仕立てになってるので読みやすいですし。会社のプレゼンとかでいつも緊張しちゃう主人公で、その人にメソッドを教えてどんどんできるようになっていくストーリーなんですけど。

――これを読んだことで少しは楽になりましたか?

タカハシ:だいぶ楽になったとは思います。たぶん緊張する人って、心の整理ができてないのかな。何となく、心に答えがないから緊張しちゃうのかもと思って。「こういう風に考えなくていいんだ」っていう感じで気が楽になったところはありますね。

#FAVORITE.05
ビンテージの洋服

タカハシ:ビンテージの洋服がすごい好きで、よく探しに行きますね。なかなか見ないものを見つけると、どうしても欲しくなってしまって。

 ――お持ちいただいたものは、フルーツの柄と色彩がとってもきれいですね。

タカハシ:えっ、フルーツ……? 本当だ!

 ――いま気づきましたか(笑)。

タカハシ:私、感覚で生きてるので全然見てなかったです…(笑)。とにかく色味と形とこのカラフルな感じが好きで、胸のリボンとかすごいかわいいし。かわいすぎてまだ1回も着てないんですよ。

 ――まったく古びてないけど、どこかノスタルジックな印象もありますね。

タカハシ:そうですね。例えばクラシカルなワンピースを着たとすると、その時代に着ていた人の気分になれるっていうか。ちょっとタイムスリップしたような感覚があって。着るものによって気分が変わるし、立ち方とかも変わるし、おもしろいですよね。

例えば鏡が付いてるビンテージのワンピースもあったりして。 それは虫が寄って来ないようにするために付けてあるとか、手で編み込んである刺繍は、実は“魔除け”の意味合いがあるとか…。当時の人が考えたいろんな意味があって、そういう奥深さにも惹かれますね。

次回はマイさんの幼少期や“これから”についてお伺いします!こちらからご覧ください)

Photo by Kohei Suzuki
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。