スターたちは、いつも僕の「脳内」で戦っていました。

オール・タイム・フェイバリットなものを紹介していただく週替わり連載企画。今週は、東京・赤羽にある R&B 喫茶店のオーナーにお話をきいています!5回目となる今回の “フェイバリット” は、ボクシング

フェイバリット紹介者:柴田秀行さん

赤羽にあるR&B喫茶『CAFE B-3』のマスター。元プロレス少年。お店の片付け作業のBGMは、もっぱらプリンス。

 #FAVORITE 05.
ボクシング

 

柴田秀行さん:子どものころ、『あしたのジョー』が好きで。これが新日本プロレスを好きになる理由としてもリンクしていくんですけど。梶原一騎の描きかたとかね、“ヒーローが負ける” というのがすごいインパクトでした。最後は負けてしまうヒーローではあるんですけれど、それがただただカッコいい。まさに、“敗者の哲学” を、描き切っているんです。それからボクシングという格闘技に興味が湧いて。中学生の時とかかな。

 

 ーーボクシングが流行っていたころ。

柴田:辰吉丈一郎とか、鬼塚勝也とか。アメリカだと、マイク・タイソンとか、日本で何度目かのボクシング全盛期でした。タイソンの試合とかだと日本ではあまり観られなかったですけど、ヘビー級だからわかりやすいというか、試合そのものが派手でしたよね。

 

 ーースターと呼ばれる選手が活躍していて。

柴田:以前のボクシングブームのときに活躍していた、ムハメド・アリが引退してしまって、中量級から “fabulous 4(ファビュラス・フォー)” と呼ばれる、シュガー・レイ・レナード、トーマス・ハーンズ、ロベルト・デュラン、マービン・ハグラーという、個性的な4人のスターが出てくるんです。今もある『Number』(マガジンハウス刊)という雑誌から、80年代の試合ビデオとかも出ていて。 

この4人が本当に強い。当時、他にも強いボクサーがいたんですが、彼ら4人でみんな倒しちゃって。この4人が中量級の試合でそれぞれぶつかり合うんですが、これが本当におもしろかったんです。でも、海外の試合ってめったに観られなくて。当時リアルタイムで海外のボクシングを放送していたのが、WOWOWしかなくて、あのころは、WOWOWに加入するのが一番の夢でした(笑)。 

 

 ーー動画サイトとかもなかったですし。

柴田:そう。ジョー小泉さんというボクシング評論家の方が自身の会社から試合のビデオをだしていたんですけど、昔のビデオって本当に高くて。とてもじゃないけど、買えなかった。

だから、本で試合の様子を読み込んで、脳内で試合を再生するんです(笑)。とにかく細かく読んでは、すぐにその試合内容を想像して....というのを繰り返して。そのあと、WOWOWに加入するという夢は果たすんですけど(笑)。

 

 ーーまた少しずつ、格闘技も盛り上がりつつありますよね。

柴田:今はあまり観なくなっちゃいましたけれど、日本のボクシングはまた盛り上がってきていますね。格闘技がディフェンスの進歩と安全性を優先して、スポーツ化されてきて。

それは良いことだと思うんですけど、“fabulous4”や、前に話したアントニオ猪木のように、“技術に裏打ちされた感情が表に出る闘い” を観られる試合は少なくなってきてしまっています。僕は、そういう勝負が好きでした。

 

“ぜひ、ここを見て!”

ジョー小泉さんがだしている、『世界のKO(ノックアウト)アーチスト』(福昌堂刊)という本には、ムハメド・アリ、マイク・タイソン、4人のスターの中にいたシュガー・レイ・レナードなど、KOアーティストと呼ばれる選手たちの知られざる姿が書かれています。ぜひ、これを読んで試合を脳内再生してみてください(笑)。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。