ソニー、アイワなど名機100台がズラリ!「大ラジカセ展」に行ってきた。

ラジオとカセットが合体してできた、日本発のイノベーション=ラジカセ

おそらくオーバー40くらいの方々にとっては「持ってた!持ってた!」とノスタルジーを掻き立てる懐かしいアイテム、それ以外の年代ではほとんど馴染みのない未知なる物体でしょう。

そんなラジカセを100台以上展示した、その名も「大ラジカセ展」が西武渋谷店で開催(会期は2017年8月2日〜8月14日まで)。様子を伺うくらいな感じでふらっと立ち寄ってみたら、ガッツリ2時間以上見入ってしまうことに…。その展示内容の一部をご紹介します。

“ラジカセの元祖”がお出迎え

場内に足を踏み入れると、まず1968年に発売された“ラジカセの元祖”(AIWA「TPR-101」)がお出迎え。

定価は27,500円。当時のサラリーマンの平均月収が45,000円ほどだったことを考えると、かなり高価な代物でありながら、ラジオが録音できることが受けてよく売れたそうです。

年代ごとに区分けされた
個性豊かなラジカセが、ズラリ。

この「大ラジカセ展」は、日本随一のラジカセ・マニアであり、家電蒐集家の松崎順一さんが監修。5,000台(!)にものぼる膨大なコレクションの中から、選りすぐりのビンテージ・ラジカセが100台あまり展示されています。

ソニー、アイワ、サンヨー、パナソニックなど、メーカーがしのぎを削って進化させた、創意工夫に満ちたラジカセを見ていると、“家電王国”と呼ばれた日本の国力のようなものを感じずにはいられなかったほど。

松崎さんも、ラジカセについてこんなふうに綴っています。

かつての家電王国、日本が生んだ世界に誇る合体家電、それがラジカセ。日本人が得意とする機能の合体、複合。ラジカセはまさにこの日本オリジナルの合体・複合というキーワードに誕生した世界に誇る家電なのである。

ブッ飛んだ発想が痛快!

なかにはこんな変わりダネも…。ラジカセ+テレビ!

そして、ラジカセ+キーボード!!

さらに、ラジカセ+UFO…!?

そもそも“合体家電”であったラジカセは、多機能化する宿命だっと松崎さんは言います。

最初はラジオとカセットしか付いてなかったけど、テレビもキーボードも付けちゃいましょうと。考えて付けたというよりは、とにかく付けちゃいましょうと。そう、ラジカセって、なんでもアリなんですよね(笑)。

大ラジカセ展、それはある種の
歴史民俗博物館?

パンフレットや書籍、カセットテープなど今では入手困難な貴重資料も多数展示されていて、もう時間を忘れて見入ってしまいました(なので、スケジュールに十分余裕を持って来場されることをオススメします)。

つまるところ「大ラジカセ展」とは、ラジカセというフィルターを通して70〜80年代の風俗や国民性を考証する、ある種の歴史民俗博物館といえるのではないか…?

って、いささか話が飛躍してしまいましたが、アラフォー男子としては郷愁とともに純粋に面白かったし、きっとラジカセに触れたことのない若い方も十分に楽しめるはず。気になった方はこちらで詳細をご確認あれ。

text & photographs by Akihiro Okumura(TABI LABO)

Reference:年次統計
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。