何気ないその「行動」が誰かを傷つけている

人間関係における「やさしさ」とは?この問いに、あえてしない習慣に着目することで、逆説的にやさしい人たちの条件を紐解いたライターJeff Haden

日常的な習慣、何気ない言動、日頃の自分たちの生活に思い当たる節があったのでしょうか、記事を寄せたInc.comではかなりのビューを獲得した人気記事です。

本当に優しい人の共通点は、
していない習慣にある

私が知る成功している人たちは、軒なみみんな優しい。これは偶然ではありません。なぜならやりがいのあることは、たいてい一人では成し得ないものだから。周囲との良好な関係を築くことによって、成功へと導いてくれるのです。それに、優しくした方が人生も楽しくもなる。優しい人、楽しい人たちが絶対にしないことがあります。例えば、こんなこと。

01.
“蚊帳の外”の人たちを無視する

トレーニング
©iStock.com/AleksandarGeorgiev

例えばジムに年齢が自分より上で、体重150キロぐらい男性がいるとしましょう。エアロビクスだったり、トレーニングマシーンの利用でも、とても苦労している様子が伺えます。

彼の努力は認めますが、誰も彼に話しかけません。むしろ、透明人間にされて気づかないというような扱われよう。なぜか?それは、彼がその場に馴染めていないと思われているからです。

これは、誰もがやってしまいそうなことですよね。例えば会社に訪問した際、大きなイベントでも、話すべき相手としか話さない。イベントでのプレゼンの際も、ブッキングしてくれた人としか話さなかったり。だけど、ステージを設営、準備してくれたスタッフたちにだって話す機会がないかもしれないのに。

簡単なことで乗り越えられます。目線があったら会釈したり、笑顔を見せることでも。または「どうも」と軽く挨拶してみたらどうでしょう。その人がそこにいることに気づいてあげる、この反応が重要なのです。

02.
他人の「自虐ネタ」に乗っかる

自分のことをネタにするのは良いとして、他人からネタにされるのは、誰だっていい気がしません。髪の毛が薄くなってきた事実、体重が増えてきていること、仕事が大変だったり出世できそうになかったり、家族のグチ…。

自虐しているからって、お笑いのネタとして周りが乗っかるのは違います。人が自虐に走ってしまうのは、自分の不安を隠すための仮面とも考えられます。自虐ネタに対して周囲がそれをさらにネタにして煽る、その権利はないのです。

03.
周囲の時間をムダにする

ミーティングや会合などにいつも遅れる、「自分の時間の方が大事」と思っていませんか。スーパーのレジで支払いするときに、後ろの人を待たせてもゆっくり財布をだして、カードの山を漁ることはありませんか。自分だけのせまい世界で自分よがりに考えているだけでは?

このように小さな不便さに気づかないような人は、結局大きな問題にも気づけない。デリカシーのない図太い人。

何気ない状況で対応するときほど、本来の自分が出るものです。特に自分がリーダーのポジションにいる場合ほど重要に。「自分よりも周囲の人たちのほうが、重要なタスクを抱えている」という見方に切り替えるだけでも、大きな変化になりますよ。

04.
相手に求めすぎる

ソファに座る男性
©iStock.com/Anchiy

よく知らない男性から、時間もかかるようなとても大きな頼まれごとをされたとします。とても自分じゃ抱えきれない頼みごとでもあるからと、一度は断ります。それでもしつこく頼まれとします。何度も断ると、最後に出てくるのが「一生のお願いだから。僕にとってすごく大事なんだ」というカード。

確かに、必要なのかもしれない。でも、その必要性が問題なんじゃないか。世界はあなたに借りがあるわけでもないから、タダで助言や成功を与えられるわけではありません。あなたに与えられるものとしたら、自分が努力して得たものだけ。

人は自分で助けられるような人を助けたいと思い、そして助けた人に助けられるもの。それによって、お互いが助け合えるような人たちとの絆が強くなるのです。みんなこのような関係性、そしてそういう人が増えて欲しいとも願っています。

05.
誰かのSOSに、
聞こえないフリをする

人間が生きていくうえで、同じタイミングで2つ以上のものが必要な場合もあります。例えば、いくらかのお金と、食べものと、暖かいコートだったり。

私もカルマ(業)なんて信じない性格ですが、それでも良い行いは自分に返ってくることを信じていれば、モチベーションも日頃の行いも良くなるというもの。それだけの理由であったとしても、落ち込んでいる人がいれば助けるべきなのです。

06.
自己肯定するための
質問を相手にパスし、
自分で回収する

同僚からお昼休みのときに「ソーシャル・メディアでのマーケティングは効果的だと思う?」こう聞かれたとします。

そこであなたが「場合によっては…」と意見を言い始めようとすると、「違う、ROIも見た事ないし、直接的に売り上げに繋がっている証拠もないしね。しかも、気づかれる事は測定しきれないし、重要な目標でも…」なんて具合に、あなたの話を途中で遮って、ひたすら自分の会話に終始する。こんなコミュニケーションからは逃げ出したくなりますよね。

自分の間違っているかもしれない意見を、無理やり押し込む必要はありません。質問は、本当に答えが必要なときにだけはさめばいい。そしてまた話すとき、追記の質問をしてみて、相手の価値観をよりよく知ろうとしてみてください。

07.
「私のこと誰だか分かってる?」
なサインを出す

横を見る女性
©iStock.com/AleksandarNakic

どんな人でも「自分はこんなことに構ってられない重要人物だから」というカードを出します。行列が長すぎるのか、サービスが充実していなかったのか、あるいは自分の高い理想とかけ離れていたからか、不満を感じたときに出すサイン。

私が誰だか分かって言ってる?

仮に、あなたが「重要な誰か」だとしましょう。でもあなたの事を「誰か」だと言うことよりも、そうでないときの方がいろんな人と分かり合えると思いますよ。

08.
自分の「キャラ設定」を見誤る

“変わり者”を演じるのは、確かにおもしろいかもしれないけど、あまりにやりすぎると、正直迷惑になっていきます。変わり者だということは分かったけど、注目を浴びるためやっているのなら、それは違います。

楽しく遊んでいるときもあれば、真剣に話し合う時間だって必要。ふざけあったりするのも良いけど、ちゃんと腹割って話し合うことも重要。いつもふざけてる自分を「自分らしくいるだけだよ」と正当化していても、それで好かれるかどうかは別。ただのアホにしか見られなかったら、それこそ損ですから。

09.
謙虚を装って自慢する

「間接自慢」という言葉を知ってますか?表面上は謙虚だったり控えめな発言に装うんだけど、自慢が隠しきれていない状態のこと。

例えばこんなこと。イギリスの俳優スティーヴン・フライがこんなツイートを。

「空港で何をしよう。多くの人が待っているし、いまファンと写真を撮りに行ってしまえば飛行機を逃してしまう…がっかりさせちゃうな」

謙虚かどうかはさておき、プライベートでもビジネスでも、自慢はそれを耳にする周囲のことをまず考えてから。ぽっちゃり女子を目の前にして、Sサイズの服が入らない…なんてグチを言うのは失礼にあたるでしょ?

自分から自慢するからおかしくなるのです。達成(成功)したことを誇りに思うことで、黙ってたって周囲があなたのことを自慢したくなるはずですから。

10.
自分の意見を押し通す

リモートワークをする男性
©iStock.com/AleksandarNakic

「いろんなこと知っているね」、「すごいこと知ってるね」、と他人を褒める。でもそれはちゃんとTPOにあったところで。例えばあなたがリーダーだったり、コーチだとしたら、自分の意見を強く言う場面も必要だということ。

けれど、無理にその場面を作る必要はありません、聞かれたら言うくらいでOK。それは自分が正しいと思っても、他の人にとっては間違っていると思うかもしれないし、結果それが自分の思い通りにならなくても、それはそれで良し。

有益なアドバイスや、知識を伝えるときには、ちゃんと自分の立場を決めてからすることが一番。それは友人を作る場合にも、多くの人に影響を与えるためなど、ちゃんと自分の立場を理解したうえで意見する、それが重要なのです。

Licensed material used with permission by Jeff Haden
Top image: © iStock.com/Maria Dorota

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