癌と闘うリアルな気持ちを、マンガで表現した男性

「マンガを描くことは、私にとってセラピーなんだ」

そう語るのは、癌を経験したイラストレーターのMatthew Paul Mewhorterさん。これまで患者として過ごしてきたリアルな日々や、他の人が体験してきたことを、フクロウに置き換えてわかりやすく伝えている。コロコロ変わるフクロウの表情は、見ているとどこか愛くるしくなってくる。

家にて。「いつも横になってばかりじゃ、癌に勝てないわよ」
職場にて。「働いていないで家で休憩していなきゃ」
外出先にて。「いい調子だ!」「強がる必要なんてない。ありのままの自分でいればいいんだよ」
結局…。「正直言うと楽しくなんかない。ただ家に居たいんだ」「ネガティブな考えはダメよ。癌と戦うにはポジティブでいなきゃ」

抗癌剤治療を始めて…
「ほら、君が好きな料理だよ。これで元気になるだろう!」
「俺たちを食べないでくれ〜」
「不味いしゴミみたいな匂いだぞ〜」
「また食べなかったんだね!本当に癌と戦う気があるの?」
「うぷ…」

「これまではプラン立てて人生を過ごしてきたし、それで上手くいっていた。癌になるまでは…」
「以降は癌のせいでプラン通りになんていかなかった」
「でもその代わり、冒険という新しい考え方に出会ったんだ」

走っていたら…
「あぁ!お腹が痛い!」
「ゴホゴホ」
「何?嘘だ!数ヶ月前に癌は取り除いたはずなのに!」
「あれ?(いない)」
「ただの腹痛だ。腹痛にちがいない…」

Matthewさんのマンガはメディアに取り上げられ、大学にゲスト講師として招かれるなど、現在はセラピストとして充実した日々を送っているそう。癌はここ2年間、再発していないという。

最後に、Matthewさんの言葉で締めくくりたいと思う。

「癌患者や生存者たちにプレゼントを渡したければ、考える必要はない。なぜなら、私たちはすでに『今日』という最高の贈り物をもらっているから。今日がどれだけ貴重であるかを知っているから。あなたがどれほど大切な存在かもね。だからあなたが渡せる最高のプレゼントは、愛と時間なのです」

Licensed material used with permission by Cancer Owl
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。