コーヒーを語るとき、「名古屋カフェ」に触れないわけにはいかない。

名古屋育ちの私にとって、喫茶店でコーヒーを頼むとピーナッツが付いてきたり、午前中にコーヒーを頼むとモーニングがついてくることはけっこう普通のことで、逆に何もないと「ちぇっ、せっかく喫茶店に来たのにコーヒーだけかぁ…」と、軽く落ち込んだりします。

普通はコーヒーを頼んだら、コーヒーだけが来るもんなんですけどね。名古屋仕込みの変な概念が染み付いています。

名古屋のコーヒーと
モーニング

でも最近「名古屋のモーニング」が脚光を浴びつつあって、名古屋人の私は嬉しい限りです。たとえばコメダ珈琲なんかが有名どころですよね。私はコメダのコーヒーの味を誇っているわけではないんですが、県外の人の心を惹かせるものがあまりない名古屋の名物となってくれているコメダには感謝しています。東京の友だちが出張で名古屋に来て、「とりあえずコメダ」なんて言ってくれると、嬉しいですよ、やっぱり。

名古屋は「午前中にコーヒーを頼むとモーニングが付いて来るでしょ!」という期待値が高すぎて、モーニングをつけない喫茶店は人気がなくなってしまったりするのか、ほとんどのお店でついてきます。

コーヒーにこだわっている喫茶店ももちろんありますが、味うんぬんよりも、タダでモーニングが食べられる“お得感”こそが名古屋の喫茶店の特徴ですね。それはそれでいいと私は思います。

名古屋メシは
イノベーション?

以前、TABI LABOのCEOである久志さんが名古屋に来て一緒にごはんを食べたときに「名古屋メシはイノベーションだと思う」と言ってくれたのが、とても嬉しかったのを覚えています。

名古屋で育った私には、名古屋メシが「既存の物と何かを組み合わせて新しい食べ物としてできたものが多い」っていう考察は、思い浮かんだこともなかったですから。

たとえば味噌カツは、味噌もあったしカツもずっと前からあったもの。それを組み合わせちゃったわけですし、コーヒーだってモーニングは別に支払いをして購入するものだったのに、組み合わせてひとつにしちゃってるわけですから、そう言われてみると名古屋にはもったいないくらいのカッコいい言葉ですが、やっぱり「イノベーション」なのかなと思います。

でも、Instagramで「#名古屋メシ」って検索すると、もう全面茶色ばっかり…。そこが名古屋らしいとこなんですけどね。

敷居の低さが心地いい
「ホットコーヒー、ひとつ」

もうひとつ、名古屋の喫茶店文化が強い理由としてよく言われていることは、とにかく居心地がいい、ということ。ふかふかのソファがあって、雑誌や新聞がたくさん。いまだにタバコを吸えるところも多いですし、お店の中も気取っていないので、気後れすることもなく、なんだか自分の家でゆっくりしてるような感覚になれます。

おいしいコーヒーの味に専念する、おしゃれなサンフランシスコのサードウェーブカフェの反対極という感じです。

格好つけずに、誰でもどんな年齢でもどんな服装でも行けて、小難しいサイズの名前や豆のあれこれをスムーズに言えなくても「ホットコーヒー、ひとつ」で注文できる敷居の低さが名古屋の喫茶店なんです。

でも、そんな喫茶店文化の根強い名古屋にも、最近はサードウェーブカフェが増えてきました。サードウェーブの風潮や豆の種類、淹れ方などをテレビで見たりするうちに、実は昔からちゃんと豆の原産国などが表記されていた喫茶店のメニューに、お客さんが関心を払うようになってきているように思います。

もともとコーヒーが好きな人たちなので、その辺に関心を持ち始めたら、名古屋のコーヒー文化も急成長するかもしれません。それともまた、新しいコーヒーイノベーションが作られたりして!?

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。