空港での「トランジット難」を解決する、出来すぎカプセルホテル

世界の空の旅に新たな選択肢をもたらしたローコストキャリア(LCC)の台頭で、格安旅行の醍醐味は増した。

コストパフォーマンスを考えれば、機内食の削減も、手荷物の制限にも目をつむれるけれど、意外と気になって仕方ないのが乗り継ぎの悪さだったりするのは、僕だけだろうか。旅程とうまいこと合えばいい、が場合によっては10時間近いトランジットを余儀なくされることも。

そんなとき、Wi-Fiポイントにアリのように群がるか、硬い椅子に横たわって、ただ時間を潰すくらいならば、こういうアイデアがもっと出てきてもいいんじゃないかな。

乗り換え時間の長さを
逆手にとった宿泊施設
「Bed & Boarding」

ナポリ・カポディキーノ国際空港に新設された、リフレッシュルームとホテルのちょうど中間をいくカプセル型の宿泊施設がこちら。24時間365日、使いたいときに利用できる、その名も「BenBo」。意味はBed & Boardingから来ているらしい。

なんでも、日本のカプセルホテルに着想を得て、こぢんまりした1人用のハコを意識したんだそう。ところが独立したユニット型の個室は、本家のそれと比較しても明らかに大きく、楽チンそう。

さらに中がスゴかった。あらゆる旅行者(なかでもお金をかけずに空の旅を楽しみたい層)のニーズを叶えるべく、室内も、共有スペースも、ゴキゲンなファシリティが整っている。

仮眠もシゴトもイケる
「カプセル」を超える汎用性

カードキーをかざすと自動で扉がオープン、両手に荷物の旅行者にちょっとうれしい心づかい。壁はすべて防音壁だそう。

室内はベッドだけにあらず。

落ち着いた空間で作業したい人のニーズにも合わせ、無線LANだけでなく、ドッキングステーションや、リクライニングテーブルを完備。さらには、フライトスケジュールを逐一チェックできるボーディングボード、アラームクロックと、これなら乗り遅れる心配も無用だろう。

個人的には、建てつけのスタンドミラーや、手荷物から旅行カバン、靴まで収納できるキャビネットがデフォルトだという点も、旅行者のツボを押さえた花マルポイント。

ちなみにトイレとシャワーも、利用個室1つずつに割り当てられた完全プライベート。そこもセキュリティやプライバシーに配慮してのことだそう。

コワーキングスペースも充実

屋内とテラスの共有スペースも使い放題。カプチーノ片手にメールをチェックしたり、旅のブログをまとめたり、同じ旅行者と情報交換するなど、用途はさまざまだろう。

空港併設型のリフレッシュルームって、窓はあってもなかなか外の空気を吸うには至らないところが多かったけど、乗り継ぎの合間にほんの数分でも、ふわっと外気を浴びれるのはありがたい限り。

ナポリから開業したBenBoは、今後ローマ、パレルモ、ベルガモにも展開予定だという。最初の1時間がおよそ9ドル(約1,000円)、以降8ドル/時間ならば、リフレッシュ&仮眠の快適さには十分、値するんじゃないだろうか。

Licensed material used with permission by BenBo
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。