クリエイティブになりたいあなたの願いに、一役買ってくれる本がある

大人になり社会へ出ると、クリエイティブ力を求められる場面が増える気がする。新しい商品開発やイベントの企画、プライベートでも結婚式の2次会やプレゼントの準備…。そういう時に、パッと面白いアイデアが浮かぶ人はもともと才能があるんだろうなぁ、なんて目で見ちゃったり。

でも、『世界で最もクリエイティブな国デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方』の書籍によると、誰もがクリエイティブな存在になれるらしい。「いやいや、それでも」と否定したあなたにこそ知ってもらいたい一冊から、今よりも創造的になれるきっかけを紹介したい。

クリエイティブを発揮するには
「退屈」が一番?

クリエイティブになれるものなら、なりたい。どうしたらなれるかと考えて、意識的にやろうと思えば思うほど肩に力が入って空回り、なんてことはないだろうか?

そういう時は、なにか特別なことをしようと思ってしまいがちだが、この本の著者がインタビューしたデンマーク史上もっとも成功した音楽グループといわれる「AQUA」のリーダー、ソレン氏によると「クリエイティビティにたどり着くには、退屈するのがいちばん」だという。なぜなら、

「退屈は、そこから脱け出したい、新鮮なことを考えたいという衝動に駆り立てる」

から。

しかし勘違いしてはいけないのが、創造プロセスには努力が必要だという点であり、それには彼も同意しているという。

クリエイティブと
ドラッグの関係とは

心底アーティストを目指してもがいている人たちなら、映画Limitlessの主人公みたいにドラッグとまではいかなくても「酔っ払っていたほうが、いい発想が浮かぶんじゃないか?」という考えが頭をよぎったことがあるかもしれない。

本の中にもこう記されている。

「アルコールやドラッグのクリエイティブティとの関係について調べたところ、文学、音楽、美術の世界の偉大なる英雄たちが、創造プロセスを推し進めるのに欠かせないツールとして、ドラッグやアルコールを利用している」

しかし、実際に著者がアーティストにインタビューをしたところ、それらの有害物質が「欠かせない」と語った人はほとんどいなかった、としている。あるアーティストは「コカインの影響のもとに描いた作品は、保管しておく価値もなく燃やしてしまった。あまりにもお粗末な代物だった」と言っていた、という話も。

これを読むと、アルコールやドラッグがクリエイティビティを助長するという事自体、信憑性が疑わしい。

結局、クリエイティブって
なに?

この本では、よくありがちな「クリエイティブな人は、まだ誰も見つけていないものを見つけ出す人」という点にも、触れられている。作家でありテレビ司会者としても有名なオーロン氏にインタビューしたのは、道路に面したほこりっぽいカフェだったという。しかし彼女は文句を言うかわりに、「今後は中庭に面してつくられるようになり、お客さんも今までとは違うものを食べたくなるだろう」と「カフェの未来像」について語っていたという。

すでに知っているという人もいるかもしれないが、クリエイティブな人は、同じ状況下でも物事を違うふうに見ることができ、「偶然の思いつきや人から受け取ったアイデアを加工できる人」だと言って間違いなさそうだ。

この本を読んでいて感じたのは、クリエイティブな人にも様々なタイプがいるということ。これから発想力を高めていきたい人には、自分はどういう風にアプローチしていくのが良いか、と考えさせてくれる一冊だ。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。