世界にひとつしかない「あなたの映画館」をつくりませんか?

自宅や映画館は言うに及ばず、ビルの屋上やビーチ、森の中、さらには無人島まで。近年は、上映イベントの充実もあり、さまざまな場所で映画を楽しめるようになっている。

もちろん、作品自体を味わう=モノの消費が依然としてメインなのは間違いない。しかし、開けた場所で外界と触れ合いながら観るなど、単なる映画鑑賞にとどまらない体験=コトの価値が急速に高まっているのは確かだ。

ここで紹介する「popcorn」は、そんな時代の流れにあわせて生まれたサービス。内容を知れば知るほど、これまでになかった新たな映画体験への期待値が高まって仕方がない。

みんなでつくる「小さな映画館」

昨年7月に設立された株式会社ポップコーンシアターが運営するのは、だれでも自分の映画館をつくることができるサービス。安定したインターネット環境やプロジェクター、スクリーン、適切な音響設備があれば上映会を開催できる。

最大のポイントは、初期費用ゼロである点。

同サービスのHPによると、これまでにも自主上映会は開催されていたが、1回ごとに数万円から数十万円の費用がかかり、50人以下の規模のものはほぼ赤字覚悟だったとのこと。さらにいうと、映画上映には権利許諾が必要だが、そもそもどこに問い合わせをすればいいのかが分からないという問題もあった。

そこで「popcorn」は、入場者数に応じて料金が発生する形で、権利処理されている作品を誰でも簡単に上映できる環境を整備。作品、日時、入場料を決めるだけで、世界にひとつだけの「あなたの映画館」ができあがる。

ちなみに、共同代表の大高健志氏が、クリエイティブな作品づくり・場づくりを数多くサポートしてきたクラウドファンディングサイト「MotionGallery」を運営していることから、業界の垣根を越えてさまざまな作品を提供することができるという。

場所や作品でカンタン検索

主催側だけではなく、鑑賞者としての参加も可能。HPで場所や作品から上映会を検索し、そのまま簡単に申し込みできる仕組みになっている。現時点では、東京都内だけでなく、福岡や福島、鳥取、和歌山など、全国各地での上映会が予定されているようだ。

「映画館が生まれて100年以上が経ちました。その間にテクノロジーが発達し、上映環境は飛躍的に進化しましたが、決められた時間に映画館を訪れてチケットを購入し、知らない人たちと肩を並べて鑑賞。観終わったあとはそれぞれの家に帰る、という体験が大きく変化することはありませんでした。

もっと“みんな”で楽しむ新しい鑑賞体験が生まれるといいなと思っています」

とは、もう一人の共同代表、ナカムラ ケンタ氏の弁。実際に、上映会の参加者からは、「映画を観た後にうるさい環境だと余韻が味わえないもの。一緒に観た人たちと話したり、満月の下を歩いて帰ったり。そんな時間が素敵でした」とポジティブな声が届いている。

例えば、よく行くカフェやオフィスで。プールサイドやお気に入りの作品のロケ地で上映なんてことも可能になるはず。

マイクロシアターの数だけ生まれる、多様な映画体験。一風変わった上映場所だけでなく、鑑賞後の余韻も含めた新たな「コト消費」はこちらから。

Licensed material used with permission by popcorn
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。