山頂でスリルを求めたければ、このキューブに飛び込め!

どんなに登りがキツくても、山頂から見下ろす景色を目にしたとたん、それまでのつらさが一瞬で消え去ってしまう。根っからのハイカーではない自分には、この瞬間が山登りにおける最高潮。

だけど、その達成感にひたる楽しみのひとときを、果たしてこの場所で味わうことはできるだろうか?危なっかしくて、気が休まる瞬間なんてゼッタイなさそう!

世界で最もアブないキューブ
南仏に登場

なんと言うか、もう…ほとんど落ちかけてるって!

世界一アブない立方体が登場したのは、フランス南部の都市モンペリエの北、市内を一望できるサン・ルーの山頂。切り立つ岩山のそのてっぺんに、無機質なキューブが明らかにイケない角度で設置されている。というより「乗っかっている」の表現の方が正しいんじゃないだろうか。

キケンであることが
大前提って…

そもそもこのサン・ルー山頂、これまで登山者たちは、崖の突端に身を乗り出して(あるいは腹ばいになって)スリリングな眼下の景色を堪能していたらしい。それも十分すぎるキケン行為だと思うが…。

そんなスリルを安全に提供する目的で建てられたのが、フランス人建築家Christophe Benichouによるキューブ型展望台「チップボックス(tip-box)」だった。

内と外のギャップに萌える
展望台の中はまるでシアター

チップボックスの内部はまるでシアターのような空間。セヴェンヌ山脈の稜線、遠くに望む地中海がスクリーンのように象られたキューブの一辺から望むことができるらしい。

崖に向かって斜めに設置されたキューブ外壁の効果で、左右の視界が遮られ、垂直のあのスリルはきちんと残すことができた、とChristopheはリリースで自画自賛。しばらく腰を下ろしているだけでも、すぐに平衡感覚がなくなってしまいそうだ。

それからこのチップボックス、もし登山中に遭難したり、天候悪化した場合の避難所として、建物下がビバーク用のスペースが設けてあるそうだ。

そうそう訪れるチャンスはないだろうけど、こんな度胸試しを兼ねたハイクができる山があることだけでも覚えておくとしよう。

Licensed material used with permission by Christophe Benichou Architectures
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。