インドでは、飛ばない「飛行機レストラン」が空席待ちの人気ぶり

インド北部の町ルディヤーナーに行くことがあれば、たとえあなたが大の肉好きだろうと、ぜひ座席数72シートのベジタリアンレストラン「HAWAI ADDA」に、一度は搭乗してみてほしい。食事をしに「搭乗」するというヘンテコ体験、オモシロさはこの1点のみのような気がするけどね。

インド人起業家が始めたこのレストラン、「何か他と違ったことがしたい」と、現役を退いたエアバスA320の機体を買い取り、その機内を丸ごとレストランにしてしまったのがHAWAI ADDAというわけだ。

シートベルト不要の客室
もはや旅客機の面影ゼロ

エアバスA320といえば、近・中距離向運航の旅客機として、今も第一線で活躍している。外観はそのままに、シートからトイレ、ギャレイをすべて取っぱらい、テーブルやソファなどの調度品でととのえている。左右の小窓から天井にかけての独特の楕円形を除けば、もはや面影はゼロに等しい。

ファブリックの絨毯から木材のフローリングに変わっただけで、こんなに旅客機にラグジュアリー感が増すとは思わなかった。

ところでこの町中に突如現れた旅客機レストラン、開業までにも結構スッタモンダがあったようだ。「Indian Express」によれば、火災安全基準に店舗(実際には旅客機だが)が満たないだとか、翼の一部が国道に出てしまっていて、交通事故の可能性を懸念されたり。こうして、遅れに遅れた開業がようやく2016年末。 

ポップやDM類にも、ちょいちょい飛行機のイラストが搭乗。これが結構、らしくてカワイイ。

さて、HAWAI ADDAにはベジタリアンレストランのほか、カフェ、ベーカリー、さらには最大40人を収容可能なキティホールも。ただしこれらはすべて旅客機胴体の下。

アイデアはあの「豪華列車」から

立案者のParampreet Singh Luthraは、2012年から4年連続で「世界一贅沢な列車」に選ばれた、インドの超豪華列車マハラジャエクスプレスからインスピレーションを得て、あれを旅客機でマネしようと試みたそう。

はたして、ファーストクラス並みのホスピタリティが受けられるのか否かは、陸のエアバス・レストランへと搭乗してみないことには分からない。試しに…という人がいれば、ぜひ詳細を教えてほしい。

ちなみに、週末夜の雰囲気はこんな感じらしい。搭乗しなくても、パーティー気分は十分敷地内で味わえるみたいだけど。

Licensed material used with permission by HAWAI ADDA
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。