未来の空の旅は、「個々のフライトをパーソナライズ」する?

機内誌を眺めるか、小さなモニターに集中して最新の映画をみるか、もしくはただじっと目を閉じて目的地に到着するのを待つ、とかく空の上は暇を持て余す。そこにここ数年でWi-Fi利用サービスが広がり、アクティビティに少しは幅が広がった印象もある。

だが、このアイデアは、ぼくたちの空の旅のあり方そのものを変えようとしている。

シートだけでなく、
キャビンを自在にレイアウト

未来のフライトは、本当にこんなことになるんだろうか?現実に動き出している“新しい世界観”を共有できるのがこちらの動画。プロジェクト「Fly Transpose」は、旅客機のインテリアを従来のものとはガラリと変えてしまう発想だ。

各航空会社ごとにオリジナリティを打ち出す座席のレイアウトが、クラスごとに発表されてはきたものの、根本の部分はシートの変更でしかない。それは旅客機自体の構造に合わせてシートを配置していたからではないだろうか。

ところが、ここで紹介する次世代型の空の旅は、いちど旅客機という概念を取っ払って考えたほうがはるかに理解しやすい。

貨物機にはめ込む
モジュラータイプの客室

そう、言うなればこれは航空貨物を運ぶ貨物機で乗客を運ぶイメージ。

上の画像は、旅客機の胴体(客室部)をタテに輪切りした状態。これが客室を構成するひとつのモジュールだ。ここに座席やベッド、カウンターなど、目的用途に合わせて好きなように配置し、客室をレイアウトしていくという考え方らしい。

たとえば、こんな感じに。

快眠重視タイプ

プライベートスペース重視タイプ

ラウンジで交流重視タイプ

あとは、ユニットごと貨物機に設置

移動中はできるだけ体を休めたいという利用客ニーズにはベッドルームを、逆に乗客同士で交流できるラウンジやバーカウンターを設置したり、子どもたちが遊べるキッズルームなどを設けることも可能。ユニットごとにレイアウトを変え、利用客のニーズに合わせる一機が完成する。

あとは、各ユニットを空の貨物機内部にはめ込んでいけば、多目的な次世代型の旅客機のできあがり。

個々のフライトを
よりパーソナライズされた体験に

離発着時のシートベルト着用を考えると、まあ当然ながら1旅客機あたりの座席数が圧倒的に減るため、航空会社にしても旅行客にしても、快適性と航空運賃のバランスは悩ましいものになるだろうけれど。

それでも、電車はバスではすでに座席数を減らし、ラグジュアリー感と快適性を高めた移動手段がすでに登場していることを考えても、空の旅の再定義は必然といえば必然なのかもしれない。

Licensed material used with permission by Fly Transpose
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。