笑うならば笑えばいい!「マスク型」のワイングラスの真の実力

クラウドファンディングを目的としたサイトKicksterterには、あらゆるモノが登場する。目からウロコの発明品もあれば、次世代ハイテクギア、モノでなくともコンセプトやプロジェクトそのものに出資を求めるものもある。さらに言えば、なかにはこんなギャグ狙い(?)と思えるようなものも。

鼻が高すぎると、
こんな悩みを抱えるのか…

正直、開発者の本気度合いがどのくらいなのか分からない(笑)。まさか、鼻の高い人たちがこんな悩みを抱えていた、とも思えないし。

インダストリアルデザイナーJames Piattが出資を求めているのは、誰の顔にもきれいにフィットするワイングラス。その名も「Wine Glass Mask」。どうしてマスクかって?高い鼻の持ち主Jamesに言わせれば、そこがミソ。

顔の形状に合わせてリムを設計

たしかに、ボルドー型やモンラッシェといったタイプのワイングラスは、リム(唇が触れるグラスのふち)の直径が大きいものがある。日本人の場合、ブルゴーニュ型くらいだと、ちょうどワイングラスを空けようとするあたりで、自分の鼻にリムがあたるんじゃないだろうか。

まあ、あれをイヤと感じるかどうかは人それぞれだけど。Jamesにとっては、そこがネックだったようだ。ならばと彼は顔の形状に合わせてグラスをリデザイン。画像からも分かる通り、ご自慢の高い鼻はグラスの中にすっぽり収まっている。

顔のかたちにフィットさせることで、ワインがより飲みやすくなるということらしい。だけど、これじゃあワインの放つアロマをどうやって楽しんだらいい?

ベンチュリ効果で
アロマ香を一網打尽

このグラスを見た目だけで判断してはいけなかった。ほとんどギャグにしか思えない代物には、Jamesの緻密な計算が秘められていた。

じつは彼、マスクのように鼻を覆ってしまうことによるネガティブ面を補うため、グラスの両サイドに小さな空気孔を設けていた。流体力学を応用し、この小さな穴から入る酸素を減らすことでボウル内部のワインアロマを増幅させて香りや風味として鼻に届ける効果(ベンチュリ効果)を狙ってのもの。

完全にヤラレタ…なわけである。

このオモロさが伝わらない?

美しさをいったん抜きにして考えたとき、バカバカしすぎて(それでいて用途を満たしていて)逆にオモシロいと思うけどなあ。ちなみに価格は早期割引が入り、1つ15ドル(約1,700円)とそこそこ。

78,000ドルの目標額に対して、まだ2,000ドルちょっとしか出資を得られていない現実では、さすがに商品化は夢のまた夢か。このグラスの真価を発揮できるかは、残り半月ほどに迫っている。Jamesの心意気と、斜め上をいくセンスに出資したいという人がいれば、どうぞこちらから。

Licensed material used with permission by James Piatt
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。