人間関係が今よりずっとラクになる「無愛想」のススメ

いつも誰にでもニコニコしていて「愛想の良い人」は、一見すごく人付き合いがうまそうに見えます。でも、その笑顔のウラには「人に嫌われたくない」という恐怖や不安で満たされている場合が多いものです。そういう人は「無愛想」を身につけることで、人生を一変させることができるかもしれません。

池田潤氏の著書『無愛想のススメ 人間関係が劇的に改善する唯一の方法』を参考に、その効果について見てみよう。

「無愛想になる」とは
自分を愛するということ

「愛想の良い人」は基本的に「相手のこと」を考えている。小さい頃から「他人のことを考えなさい」と言われてきたし、学校でも空気を読むことが大事とされたからだ。しかし、「愛想の良い人」たちの多くが、こんな悩みを抱えている。

「自分に自信が持てない」
「やりたいことがわからない」
「恋愛がうまくいかない」
「仕事で思うような成果が出せない」

表面上ではこの社会をうまく生きているように見えるが、じつは「いい人」ほど悩んでいるのである。

「愛想の良い人」は本当に他人のことを考えているのだろうか?いや、そうではない。彼らはただ「他人に嫌われないために愛想を良くしているだけ」なのだ。いつも他人基準で行動をしているため、自分のやりたいことができない、言いたいことが言えない、我慢してしまう、怒れない、オープンになれない、といった悩みが出てくる。

ここでいう「無愛想になる」とは、他人がどう思うかではなく、自分がどうしたいのかを大事にするということだ。

無愛想の「在り方」って?

もちろん、実際に無愛想な表情をするという意味でもあるが、大切なのは無愛想で「在る」ことだ。それは、自分の好きなように生きる、自分基準で生きる、嫌なものには嫌と言う、他人からの承認に執着しない、自分を愛し他人を愛する、ということだ。

無愛想であるという「やり方」と「在り方」両方を身につけることで人生は間違いなく変わる。

人に嫌われないためにはどうすれば良いか。それはいくら愛想を良くしたり、嫌われないために努力をしても無駄なのだ。なぜか?それは、根本的な自己認識が変わっていないからだ。「自分は普通にしていたら嫌われる」という自己認識を持っていること自体が、うまくいかない最大の原因なのだ。

世の中の情報の多くは、人のコンプレックスを刺激するものだ。そしてそのコンプレックスは外の何かで埋まるものではなく、無愛想という「やり方」と「在り方」を身につけ、自己認識を変えることで埋まるものなのだ。

一ヶ月
「お人好し」引退宣言

メンタルジムに参加しているある男性が、試しに一ヶ月間ほど「お人好しを演じる」のを辞めてみたところ、周りの自分への扱いに劇的な変化があった。

職場で尊重されるようになり、忙しいときには相手のほうから進んで声をかけてきて、仕事を手伝ってくれるようになったのだ。これまで周りに気を使い、必死に愛想笑いをして周りのために自分を下げて努力しても、まったく報われることはなかったというのに。

そういった努力をすべて捨て、無理な愛想笑いをやめ、お人好しをやめ、自分を大切にし、周りに気に入ってもらおうとせず、気に入られなくても構わないと思うこと。周りに大切に扱ってもらいたいなら、まずは自分が自分を大切に扱うことが大事なのだ。

人から軽く扱われるのは、自分が自分を軽く扱っているからだ。

無愛想になることで
手に入るもの

無愛想になってみると、面白いことが起こる。試しに、次に挙げることをやってみてほしい。

・軽く扱われたときは、不機嫌になる
・返信する気がしないメッセージは遠慮なく既読スルーする
・相手の話が面白くないときは笑わない
・相手のご機嫌をとるようなことは言わない
・相手の期待に応えない
・行きたくないところには行かない
・「相手に悪いから」という理由でやっていたことを、やめる
・じつは言いたかったことを言う
・遠慮なく、やりたかったことをやる
・他人から否定されても、それでもやる
・媚びない、ペコペコしない、下手に出ない

これらは「やり方」だが、大事なのはこれらが「内面に変化を起こすアプローチ」であると知っておくことだ。これをやっているうちに次第に「自分は自分を大切にできる人間だ」「普通にしていていいんだ」「自分の思ったことをやっていいんだ」という内面感覚が生まれるようになる。

現実に変化を起こすためには、自分の内面の自己認識を変えなくてはいけない。なので、内面の変化を起こすために現実的な行動を変化させていくのだ。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。