「アイスバケツチャレンジ」の象徴的アイコンが米博物館で永久展示

アイスバケツチャレンジを覚えているだろうか。ALS(筋萎縮性側索硬化症)の研究支援と、この難病を広く世の中の人に知ってもらう目的で、2014年アメリカから世界中に広まった、あのソーシャル・ムーブメント。

その始まりとなったバケツが、「国立アメリカ歴史博物館」へと展示されることになった。

すべては、
このバケツから始まった

現在、最初のモノとされるバケツが展示されているのは、スミソニアン博物館群のひとつ、国立アメリカ歴史博物館内。スミソニアン協会が恒久展示と位置付けている「Giving in America」の展示品のひとつに、この国で生まれ世界へと広まっていったソーシャル・ムーブメントのシンボルが加わったことになる。

Giving in Americaは、アメリカの歴史の中で社会貢献活動の象徴的アイコンをスミソニアン協会が独自に選定し展示したもので、他にも1800年代の募金箱や、小児麻痺の救済を目的に1930年代に集められたDime Can(10セント硬貨を缶に入れて募金)などがある。

こうした当時の募金活動と同じようにアイスバケツチャレンジも、人から人へ、コミュニティを外へ外へと広げていったことに意味がある、と同展示の担当キュレーターはCBS Newsのインタビューに答えている。

バケツの特定はいかに?

ところで、あれだけの社会現象となったこのチャレンジの始まりのバケツを、どうやって見つけ出し、定義づけることができたのか。興味はどうしたってそこに行ってしまう。

が、まずはSNSで最初に拡散させたのは誰か?そちらに焦点を絞ってみたい。すでに世間でこれまで言われてきている通り、米プロゴルファーのChris Kennedyであるとする見方が大半。だか、どうやら彼が最初にバケツの氷水を被った人物ではなかったようだ。

TIMEの記事によれば、彼の妻のいとこにあたるJeanette Senerchiaさんの夫がALSを患っていたそう。Kennedyはこの男性のため、ALSを広く知ってもらう啓蒙活動の意味も込めて、 Senerchiaさんに氷水のバケツを頭から被るアイデアを考案。それを実行した人物こそSenerchiaさんだった。2014年7月16日のことだった。

つまり彼女が使ったバケツが、一連のムーブメントの最初の“アイコン”ということで決着したと、DCistは報じている

一般人、セレブ、ミリオネア、大統領、人種も職種も超えておよそ1,700万人がチャレンジに参加したと言われるアイスバケツチャレンジ。氷水を被って指名して、そちらのアクションばかりに注目が行っていた印象もあるが、 ALS協会は、これまでに120億円近い寄付が寄せられていると発表している。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。