「走る」を習慣化するには、あせってはいけません。

週に2~3日走ろうと決意をしても、「やっぱり面倒だな」「続けられる自信がない」と、マイナスなイメージが頭をよぎる人もいるでしょう。

理学療法士・重森健太さんの書籍『走れば脳は強くなる』では、走ることについてハードルが高いと感じている人に向けて「まずは歩くことから始めよう」と提案しています。ジョギングやウォーキングのメリットを理解して、走る習慣を身につけてみましょう。

ハードルを
下げることも大切

運動経験がない人やブランクがある人は、まずウォーキングからはじめてみましょう。運動のレベルを上げられるようになったら、ジョギングに切り替えればいいのです。

運動のレベルは、運動内容の変更だけでなく、運動時間でもコントロールできます。たとえば、体力のある人は5分程度のジョギングからスタートし、徐々に運動時間を増やしていくようなプログラムを。大事なのは、最大心拍数の70%くらいで運動する習慣を継続することです。

ウォーキングよりもジョギングのほうが効率良く心臓へ負担がかかり、短時間で有酸素運動の効果が得られるのは確かですが、無理をしない程度にしましょう。あくまでも自分のペースで運動をすることが大切です。

ウォーキング・ジョギング
なにが違うの?

有酸素運動の代表的なものとして挙げられるウォーキング、ジョギング、ランニング。では、それぞれのメリットとは?

・ウォーキング
ウォーキングの定義は、どんなにスピードを出しても左右の足のどちらかが必ず地面についているということ。常に地に足が着いているので、足首や膝などにかかる衝撃が小さく、運動が習慣化していない人でも、ケガのリスクは少ないでしょう。

・ジョギング
ジョギングの定義は、1km5分以上の時間をかけて走ること。体力がない人でも無理なく運動量を得られるので、長く続けるのには最適です。

・ランニング
ランニングは1km5分以内で走るため、運動量や消費カロリー量は、ジョギングやウォーキングと比べても多くなります。

研究対象に
「ウォーキング」が多いワケ

最後は豆知識を。有酸素運動が脳に与える影響に関する研究では、なぜかジョギングではなく、ウォーキングで実験していることが数多くあります。これは、ジョギングよりもウォーキングのほうが優れているということではなく、研究対象にウォーキングを扱わざるを得ない理由があるからです。

それは、研究ではできるだけ成果が明確に出るように、普段から運動習慣がある人ではなく、運動習慣のない人を選ぶから。不慣れな人にいきなりジョギングをしてもらうわけにはいかないので、運動強度が低く、安全にできるウォーキングが有酸素運動のアイテムとして都合がいいのです。

ちなみに、こうした研究結果はランニングやジョギングに置き換えても問題ありません。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。