ミレニアル世代は外食費に年間どのくらい使っているのか

アメリカの総人口(約3億)の1/4近い数字を占めるミレニアル世代。アプリを使いこなしてランチをデリバリーし、ファストカジュアルでごはんを済ませる(もちろん自炊しないワケではないが)、彼らの台所事情が公開された。けどこれ、なにもアメリカに限った話ではない、と思えてしまう。

アメリカ人20代の食費=約30万円
日本人独身20代の食費=約38万円

食品情報サイト「Food Institute」が、2014年度米農務省のデータをもとに算出した結果によると、ミレニアル世代は年間の食費のおおよそ44%を外食にかけていることが判明。金額にして2,921ドル(約30万円)で、2010年度の調査からこの5年の間に10.7%ほど上昇しているという。

この結果だけで一気に日米を比較することはできないが、それでも日本人の同年代とほぼほぼ同じ結果だと見て良さそうだ。

東京近郊に暮らす20代の独身男女400人を対象に、日本の農林中央金庫が2014年度に実施したアンケートによると、1ヶ月の食費の平均は31,876円。年間約38万円となる計算だ。首都圏に限定したデータということもあるが、総じて支出はこんなところ。

だが、興味深いのはその内容のほう。

食を取り巻く環境や意識の違いもあるかもしれない。それでも、2000年以降に成人となった彼らミレニアル世代にとって、ファストフードやコンビニは生まれながらにして選択肢のひとつだ。たとえひとり暮らしでなくたって、外食や買ってきたものを食べる(中食)ケースは必然的に多い、とも言えるだろう。

アプリでさくっとオーダー
活況著しいフードデリバリー市場

もちろん、年齢とともに安定した収入が食費の支出増につながっているとする見方もある。現にFood InstituteのBrian Todd氏(CEO)は、外食やデリバリーによる豊富な選択肢が、ミレニアル世代の支出を圧迫していると指摘する。

近年、盛り上がりを見せるフードデリバリー市場。メニューを選んで、さくさく注文。決済まで行える専門アプリが続々登場し、いつ、どこへでもおいしい料理を運んできてくれるとなれば、こんなに楽なことはない。

先月、東京の一部地域でサービスが開始されたばかりの、配車サービスUberによる「UberEATS」。あの独特な形状をした立方体を背中に担いでペダルをこぐ配達員を、ランチ時に見ない日はないほどだ。

外食への意識を変えた
ファストカジュアルの台頭

また、低価格ながら質の高い料理を提供する、ファストカジュアルの台頭も大きい。

すでに日本進出を果たした「シェイク・シャック」や「グズマン・イー・ゴメズ」、「カールスジュニア」のように、ファストフードよりも高級感があり、ファミレスより価格が安い(もしくは同等)なファストカジュアル。それに消費者のニーズが傾いてきたことは、人々の健康志向が影響している、と「Forbes」は見ている。

長らく続いた不景気からか、安さをウリにしたファストフードが重宝される時代もあった。かつて、早くて手軽でどこでも同じ味が楽しめていたファストフードは、いつの頃からか多少高くても「鮮度」や「つくりたて」を求める声に変わってきたのではないだろうか。

“素材にこだわったプレミアムな一品”に対し、価値を求め、その価格が払える。過度な装飾や雰囲気よりも、誠実さや実直な美味しさを、ミレニアルたちが求めている証拠なのかもしれない。

それなりに食べれば、それだけお金がかかる。当然のことではあるけれど、食べ手も食べ方も時代や世相とともに絶えず変化し続けている。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。