クラフトビールとは?地ビールとの違いやおすすめの銘柄を紹介

昨今耳にする機会も増えてきた「クラフトビール」ですが、SNSなどでも注目されはじめ、人気が高くなってきています。通常、スーパーやチェーン店居酒屋などで見かけるビールとは一体何が違うのでしょうか?普通のビールとの違いを、特徴を見て考えてみましょう。

クラフトビールとは

クラフトビールとは?

クラフトビールとは、明確な定義は諸説あり、あいまいではあるものの、現在では以下の点が、クラフトビールを表す大元の基準となっています。

製造元が小規模である

クラフトは「技術」や「職人技」「工芸」といった意味を持った言葉です。そのため個性が強い傾向があります。その分製造元が「小規模」であることが定義の一つです。

2011年までは、200万バレルまでとされていましたが、現在では年間の生産量が、600万バレルまでとされています。

しかし今後も変更される可能性は捨てきれません。

品質重視で個性に溢れている

クラフトビールは、量を生産することが重要ではありません。ビールそのものの特徴や、品質を重視しているのです。スーパーなどで売られているビールとは違い、個性を持っています。

色や味、香りなど通常のビールとはまた違った味わいが楽しめるのです。

また品質や個性を重視しているからこそ、小規模でしか生産はできませんし、大量生産を目的として作られてはいないというわけですね。

地ビールとクラフトビールの違い

地ビールとクラフトビールの違い
©iStock.com/master1305

そもそも「地ビール」とは1994年に酒税法が改正されてビールの小規模醸造が可能になったときに生まれたもの。実は「小規模で地域に根付いて造られるビール」という側面からみると、「地ビール」と「クラフトビール」はまったく同じものだと言えます。

しかし地ビールブームが起きた当時、地域おこしの一環として当時300を超える醸造所ができたと言われる一方で、中には「お土産物」の域を出ない商品も多かったのです。

そんなときにアメリカで起こっていたクラフトビールブームの波が日本にもやってきます。職人(クラフトマン)としてのプライドを持ち、ビールの深い魅力を追求するブルワー達によって牽引されたこのブームによって、いわゆる「地ビール」の地位や品質も大きく向上したと言われています。

かつてのお土産物的な「地ビール」と一線を画すためにも、あえて「クラフト」という言葉を使ったのですが、個性を活かすクラフトビール造りにとって「地域」の特徴は大切な要素。つまり「クラフトビール」は「地ビール」なるものを否定する言葉でも無ければ、全く別の言葉とも言い切れず、むしろどちらも地域性と独創性を大切にするという本質においては同じなのです。

つまりクラフトビールとは「地ビールの登場によって日本のビールに生まれた“地域性”や“個性”といった価値観を、より追求したもの」と言えそうですね。さてそれでは、ここでおいしい日本のクラフトビールのブルワリー(醸造所)をいくつか紹介したいと思います。

クラフトビールの種類

クラフトビールの種類
©iStock.com/Anchiy

製造方法は大手とも基本は同じであるため、大体の種類は通常とそれほど変わりません。ただ、大手では見られないようなスタイルで作られた商品も、クラフトビールにはあり、ビールの種類は100種類以上あると言われているのです。

それぞれの種類や特徴を見ていきましょう。

エール

ビール好きな方であれば知っている方も多いのが「エール」です。エールビールは、フルーティーな香りが特徴的で、味わいに個性があります。

そのため料理に合わせて、ビールを変えることでより食事が楽しめるようになります。

発酵は「エール酵母」を使用しており、20℃から25℃の高めの温度で時間をかけることなく発酵させます。海外では多く見られるビールの種類です。

ラガー

続いてご紹介するのは「ラガービール」です。ラガービールは、日本にあるビールの中でももっとも一般的といっても過言ではないビールで、すっきりとした味わいが特徴的です。

爽快なのど越しが楽しめます。

「ラガー酵母」によって発酵させ、6℃から15℃の低温で、じっくりと時間をかけて発酵させます。低温で発酵させているので、雑菌が繁殖しにくく管理がしやすいのも魅力的です。

自然発酵

上記でご紹介した発酵方法は、人工的に培養された酵母を使用してビールを製造しています。それに比べて「自然発酵」は、自然界に存在している天然の酵母が使用されているのです。

独特な香りや酸味が与えられるため、自然発酵を好む方も少なくありません。

クラフトビールでおすすめの銘柄6選

クラフトビールの中でも、全国的に有名で人気の高い銘柄についてご紹介いたします。是非ご自身で試してみませんか?

1.石川酒造

1.石川酒造

1863年に創業した酒造メーカーの「石川酒造」では、自社の地下天然水を使って明治時代のビールを甦らせた「多摩の恵」や5年の長期熟成が可能な「ボトルコンディション」など、興味深いビールも造っています。

2.富士桜高原麦酒

2.富士桜高原麦酒

ドイツの「デーメンス醸造専門学校」で学んだ醸造士が造る、本格的なドイツスタイルの「富士桜高原麦酒」。「ラホオビール」という、日本では珍しい燻煙ビールも醸造しています。

3.ヤッホーブルーイング

3.ヤッホーブルーイング

浅間山系の硬水を使ってエールビールのみを造る、長野県のビールメーカー「ヤッホーブルーイング」がおすすめです。看板商品の「よなよなエール」に「水曜日のネコ」、「インドの青鬼」などネーミングも楽しいビールたちを造っています。

 4.京都醸造

4.京都醸造

「京都醸造」は、アメリカ、カナダ、ウェールズ出身の3名が京都駅南側の住宅街でひっそりと営む小規模ブルワリーです。「一期一会」や「一意専心」、「ベルギーの米国人」といった、ネーミングも風味も個性豊かなビールたちは、みんなの心をわしづかみにして離しません。

5.COEDO Ruri

「COEDO Ruri」は、1970年代から「安心で安全でおいしい」をコンセプトに歩んできました。現代川越の、農家の方々は土作りのためとして、麦は収穫せずに畑に鋤き込んでいたのです。そこに注目し、ビールを作り始めました。

クリアな色味と、柔らかな泡が魅力的で、深みある味わいのバランスが上品さを感じさせます。

6.LINDEMANS KRIEK

リンデマンスの始まりは1809年ブリュッセル郊外にて、農場を所有したことからでした。「LINDEMANS KRIEK」は、濃い目の赤い色をしているのが特徴的で、きめ細かい色も相まってとても繊細なイメージを抱きます。香りと味わいは甘めで、さっぱりと飲みやすくビール苦手な方でも楽しめます。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。