お小遣いを貯めて「刑務所」に100冊の本を寄付した9歳の少年 その理由にあっぱれ!

子どもながらの発想力と、機転の利かせ方、そしてその行動力にあっぱれ。米テネシー州の保安事務所を訪れ、緊張した面持ちで写真に写る9歳の少年。目の前には、首から下が見えなくなるほど積み上げられた本がありました。

刑務所の図書室に
本を届けたい

この物語の主人公Tyler Fugettくんは、お手伝いで貯めたお金に自分のお小遣いを合わせ、100冊以上の本を購入しました。どれも自分のための本ではなく、ある場所に寄贈することが目的です。母のRebeccaさんとともに地元クラークスビルでセール中の本屋を回り、彼が自ら買い集めたのは、この町の刑務所で暮らす受刑者たちに読んでもらいたい本。

悪い考えが浮かんだときは
本を読むのが一番なんだ。

「悪い考えが頭に浮かんだとき、ボクは本を読むようにしているんだ。そうすれば、その考えもどっかに吹っ飛んじゃうからね。刑務所の中にいる人たちにも、いっぱい本を読んでもらいたい。だって本を読んでさえいれば、そこを出るまで悪いことなんて考えなくて済むはずだからね」。

これが、9歳の少年が寄贈を思いついた動機だということに、改めて驚かされます。自分のお小遣いををはたいてまで、ですよ。「彼に満足させられるような生活ができている訳じゃないけど、彼の好きなようにすればいい。だってとっても良いことをしているんだから」、とRebeccaさん。

じつはTylerくんにもまた、刑務所で過ごした経験のある親族がいることを、母は「ABC News」の取材に対し明かしています。彼の行動の背景に、この親族の経験が少なからずあったのでしょうね。

モンゴメリー郡保安事務所Sandra Brandon広報官の説明では、刑務所の図書は100%寄付でまかなわれているため、書籍を購入する予算はゼロ。Tylerくんの厚意に感謝し、ピカピカの保安官バッジを彼に贈ったそうです。

現在、次なる寄付として洗面用具をそろえ始めたTylerくん。もちろんこれも、刑務所の中で必要としている人たちのためだそう。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。