虹色の時計「The Present」が刻むのは、あなたの365日です

誰にとっても一年は24時間365日、例外なし。なのに短く、あるいは長く感じてしまうのは、心の捉え方の問題。もしも駆け足で過ぎていくように感じる原因が、時計の針や文字盤の数字によるものだったとしたら……。こんな「if」から、ものづくりがスタートしました。

ちなみにこの時計、MoMAデザインストアで販売されているもの。記事を読んで気に入ったら、自室の壁にいかがでしょう。

時間はたっぷりあるって。
季節を刻む「一年時計」が
スローダウンを教えてくれる

NYを拠点に活動するクリエイターScott Thriftさんらがデザインしたこのレインボーカラーの時計は、365日でひと回りする「一年時計」です。

たとえば上の写真、従来のアナログ時計であれば、短針と長針がぴったり重なる3時15分。でも、虹色のグラデーションで構成された「The Present」が刻む時はこう読みます。「3月21日」、つまりは春分の日あたり。この“あたり”というのが、じつはとっても大切なことだったり。

数字ではなく、
色彩で伝える季節感

この時計が教えてくれるのは、時間ではなく季節。真冬の寒く雪のイメージから、雪解け、早春から若葉萌える初夏へ。夏を過ぎ、木々が色づきそしてまた冬へ。いま、自分が一年のうちどの辺りを過ごしているのか、を漠然と知らせてくれる。その程度。

春分、夏至、秋分、冬至と季節の節目を最も色の濃い位置で表現しているだけ。あとはThe Presentを壁にかけるユーザーそれぞれの感じ方に委ねているんでしょうね。 

針が真上を刺すときは夏至(12月21日)ごろにあたることになります。そう、この時点では1月1日を迎えておらず、ちょうど1時に差し掛かったあたりが、この時計でいう新しい一年の始まりです。

あくまでも刻むのはアバウトな季節感。

「今日多くの人が時間に縛られ、時間がないと思い込んでしまっている。本当にそうでしょうか?要は、時間という概念の捉えようだと思うんです

1分、1秒が視覚化されてしまうことで、人々はより限定的にしか「今」を捉えることができず、結果として時間の浪費にばかり目がいってしまう。

「時間がない…!」その不安や焦りから解放されるには、Scottさんの言うようにもっと大きな概念で「今」を捉える必要があるのかもしれない。The Presentのコンセプトは、ここに集約されているのではないでしょうか。

それこそ時間を知るためのガジェットは、スマホでもタブレットでもPCでも、日常のあちこちにある訳で。わざわざ部屋にひとつ飾る壁掛け時計ならば、このくらいゆるくて、アバウトなものでも十分なのかもしれません。

時間よりも毎日を意識
こっちは一日時計「Today」

The Presentよりもう少し短いスパンで、一日を追う時計も登場。新たにリリースされた「Today」です。

3層に分かれたグラデーションは太陽の位置に連動するように、円の下半分は夜を、上は日中を表すこちらは日時計。「なんとなくお腹空いたな…」、Todayに目をやれば針が真上を刺している。秒針も短針も、そして数字も取っ払うことで、一日がもっと大きな概念に変わるんじゃないでしょうか?

現在は品切れのようですが、前述の通り「The Present」は、MoMAデザインストアにて31,320円(税込み)販売中。「Today」の方も、クラウドファウンディングサイトですでに目標額を達成。先行予約は88ドル(約9,500円)のものから。

Licensed material used with permission by The Present
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。