アラスカの荒野に天高くそびえる「家」があった!

どれだけの重機と人出が必要だったのか、またどれほどの建築費がかかったかは不明。ただ、天へと向かって首を伸ばす、まるで絵本の中から出てきたような家があります。これを「家」と呼ぶのもはばかられるその外観。これはいったい、ナンダ?

高さ55メートル
絵本の中から飛び出た家

アラスカ州アンカレッジから北へ180キロ、タルキートナ村の森の奥に天空へと伸びる、それが建っていました。まるで建設途中で廃墟となった鉄塔のような風貌。どこか、物悲しさを感じます。

「ノーザンライツが見たいのさ」

オーナーは、Phillip Weidnerさん。彼は約15年の歳月をかけて「Goose Creek Tower」と名付けた塔を作り続けて来ました。目的はただひとつ。地平線の向こう、アラスカの夜空に輝くノーザンライツ(オーロラ)を眺めるために。

屋根の上に6つの小屋を
積み重ねて完成?

土台となる家の上にひと回り小さな小屋を組み立てて載せていきます。その小屋の上にまた、ひと回り小さなものを。こうして、6段重ねの塔が完成。本当は、もっと高く部屋を積み上げたかったと語るPhillipさん。けれど、地上60メートルを超えると合衆国領空に達してしまうこの地域。そのため、これ以上の増築はしないと決めたんだそう。

現在、高さ55メートルに達した天守閣ならぬ最上階からは、360度全方位、地平線までバッチリ見渡せます。ただ、上へ上へととにかく高さを追求してきたPhillipさん。ところが、一段目の母屋以外は、壁が貼ってなかったり、ガラス窓が抜けていたり。各階を仕上げていかなければいけなさそうですが…。

次なる夢は、
ラジオ放送局開局

「最上階に上がるたびに、いろんなことを考えてしまうんだ。ここに立てば、きっと宇宙とのつながりを意識するはずさ」

次なる目標は、ここにアマチュア無線を引き、ラジオ番組を放送することだと語るPhillipさん。いくつになっても見果てぬ夢を追いかける。アラスカのおじいちゃんにエールを送りたいっ!

Licensed material used with permission by Gonzalez, Eric
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。