各国の小学校を回って、3つの質問をしてみた結果

・あなたはどこに誰と住んでいるの?
・いま一番望んでいることは?
・いま一番の心配事は?

カメラマンで社会活動家のアメリカ人Judy Gellesさんは、過去8年にわたり、世界各地の小学校を訪問し、4年生にこの3つの質問をインタビューをして回りました。

満9歳から10歳。彼らの答えが想像つきますか?そこには、各国の文化・風習だけでなく、社会的、経済的背景が色濃くにじみ出ています。

南アフリカ(公立学校)

我が家はアフリカーナー。大きくなったら慈善団体のために資金調達をしたいと思っています。この国のみんなが仲良く安全に暮らせることが願いです。でも、いまの一番の悩みは、友だちがそんなに多くないことかな。機嫌が悪いと、つい意地悪になっちゃうのが原因かも。

お母さんはずっと家にいて、掃除をしたり、ボクの宿題を手伝ってくれる。飼っているオウムに言葉を教えているときが、一番楽しい。やっぱり、怖いのは強盗。ウチには高いフェンスの上には電線を張っていて、警報装置もついてるんだけどね。

インド(インターナショナルスクール)

ウチはヒンドゥー教徒なので、お肉は食べません。おじいちゃん、パパ、ママ、赤ちゃんの弟とメイドさん。両親はふたりとも工学部で教員をしていて大忙し。メイドたちが代わりに洗濯したり、部屋をキレイにしてくれたり、料理を作ってくれます。大きくなったら、小児科医になって、アメリカで行って、永住するのが夢です。

ボクはイスラム教徒です。1日に5回お祈りをします。父、母、3人の兄弟とボクの6人家族。父はバナナの流通を仕事にしていて、深夜3時に毎日家を出て、夜21時まで働いています。だから父に会えるのは日曜日だけ。母は何もしていません。勉強は算数が得意なので、将来はエンジニアとして働きたいと思っています。いま、一番欲しいものは、自分用のコンピューターかな。

アメリカ(公立学校)

私はママと2人の妹と、ママの友だちと暮らしています。パパは悪いことをしたから、今はミシシッピの刑務所。私たち家族は、来月大きなバンに乗ってミシシッピまでパパに会いに行く予定。もう、ワクワクして来月まで待てないってカンジ!

ボクの心配事は、家族の誰かが銃で撃たれないかってこと。いとこは撃たれて死んだんだ。たとえそれが警察でも、銃なんて誰も持ち歩くべきじゃない。そうすれば、誰も撃たれないで済むんだから。

中国(出稼ぎ労働者向け特別学校)

お父さんとお母さんと暮らしています。私は一人っ子。お父さんはシェフをしていて週末土曜日にだけ帰ってきます。お母さんはホテルのスタッフ。故郷が恋しい。年に1回だけお婆ちゃんに会いに行きます。たまに、お母さんがいなくなっちゃう悪夢を見ます。いつか、上海に行くのが私の夢。

父さんは、毎朝5時には家を出て仕事に行きます。帰ってくるのは20時頃。父さんも母さんもボクに、一生懸命勉強するように言います。学校から帰ると、まずは宿題を終わらせます。ボクが学校でいい成績を取ると、母さんは夜ごはんを特別豪華にしてくれます。

イギリス(私立学校)

専業主婦のママは乗馬が趣味で、パパはコンサルタントとして働いて、キプロスやフランス、トルコ、イタリアに出張。週末だけしか帰ってきません。家族みんなが健康で幸せだったらいいなって、いつも思っています。心配なのはおじいちゃんとおばあちゃんのことかな。

パパはオフィスで働いていて、ママは家にいます。ボクが悪いことをすると、親はXBOXを取り上げます。校長先生とトラブルになるのが心配事。というのも、先生に悪態をつくと校長先生から停学をくらっちゃう。いま、欲しいのはPLAYSTATION 4とiPadと、あとパソコンかな。

韓国(私立学校)

ゴルフショップを経営する父と、お母さんと私の3人暮らし。学校が終わると、英語、科学、算数、道徳を勉強しています。だいたい、寝るのはいつも23:30くらいかな。私の目標は韓国アイビーリーグのひとつ、高麗大学校に入ること。だから、いつも成績のことが悩みの種。両親からは、もっと頑張れって言われてる。

ウチは5人家族です。両親はファッションデザイナーをしています。一番好きなスポーツは野球。でも、将来の夢はコンピューター・エンジニアになること。テストで全科目100点を取ってみたいな。

ントルシア(公立学校)

私の家は、母と弟、それにいとこたちが住んでいます。みんな父親はバラバラ。目標は、テストで平均90点以上を取ること。去年の平均点数は89.22でした。将来、きちんとした職につけるかどうかが心配です。4年生の担任になるのが夢です。

ボクの家には合計9人が暮らしています。ボクはベットをお母さんと姉妹とシェアしていて、お父さんはおばあちゃんと一緒に暮らしています。夢は、学校で会計係を担っているお父さんみたいになること。でも、ちょっぴり将来が心配。だって、この先何が起こるかわからないから。

アメリカ(ユダヤ人学校)

私はイスラエルで生まれ、父、母、妹と住んでいます。自閉症の妹に私がいろんなことを教えてあげるから、彼女は少しずつ賢くなってきました。父はタクシードライバーで、母は幼稚園の先生をしています。家ではヘブライ語と英語を話します。大きくなったらアーティストになりたい。でも将来は不安。家を買うお金がないのが心配。

父、母、姉、弟、あと2匹のプードルと暮らしています。祖父母が毎日、ボクら兄弟を学校まで迎えに来てくれます。歴史の授業が大好き。過去を学ぶことはとても大切だと思うんです。今欲しいものは、カンペキに機能するロボット。ボクの宿題やベッドメイクをやってくれたり、朝ごはんを用意してくれたり、フットボールのスコアを教えてくれるやつ。苦手なことは、時間を守ること。

イタリア(公立学校)

パパは修理が得意ななんでも屋で、ママは会社で経理担当。私の願いは妹が欲しいこと。家族いっぱいの友だちがうらやましい。今の心配事は、学校の成績かな。両親をよろこばせたいから。

父は工場に勤めていて、母は家の掃除をしています。ボクは週に4回ボートの練習をしていて、大きくなったら優秀な漕ぎ手になることが夢。それから、犬を飼いたいと思っています。一番心配しているのは、クモがベッドに入ってこないかどうか。

「The Fourth Grade Project」と題したこの写真展は、2013年〜15年にかけて、全米のギャラリーを巡り多くの賞賛を得たいっぽう、見た人に大きな衝撃を与えました。なぜなら、各国の小学4年生の環境や考え方が、大人たちの社会や差し迫った社会的問題をダイレクトに投影していたから。

8カ国の小学4年生男女が答えたそれぞれのシチュエーション。見比べてみて、どんな違いが見えてきたでしょうか?

Licensed material used with permission by Judy Gelles
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。