余命2年を告げられた「VJ NAKAICHI」に肝臓移植を!各地で募金活動が開始

「VJ NAKAICHI」は、日本を代表するVJとして知られている男性です。TOYOTAやNISSAN、VolksWargen、Audiなどの展示やショー、AKB48のステージ、海外の大規模イベントなどなど、数々の映像演出を手がけ、「日本の映像作家100人」にも選ばれた人物。

本名は、中市好昭(なかいちよしあき)さん。22歳のときに突然「自己免疫性肝炎」を患いましたが、症状は癒えず。5年後に「原発性硬化性胆管炎」を併発したと診断されました。38歳になった今、医師に告げられた余命はわずか2年。助かる方法は、肝臓移植手術のみです。

アメリカで移植手術を

難病情報センター」によれば、原発性硬化性胆管炎は未だ原因が解明されておらず、黄疸やかゆみ、発熱や腹痛が主な症状として知られる難病です。進行して肝不全に陥ると、肝移植しか救命法が残されていません。

中市さんは、倦怠感や食欲不振、睡眠不足、むくみなどを感じており、胆管炎や肝性脳症を引き起こし、倒れてしまうこともあったそう。

日本で待機していては、
間に合わないーー。

彼の場合、再発の可能性が高い生体肝移植(生存している人物から肝臓の一部を移植)を行うのではなく、脳死ドナーからの提供を待つしかありませんでした。

しかし、待機患者も多く、日本での移植手術が極めて難しいこともあり、残された道は、アメリカで移植手術を受けることのみ。それには7,500万円もの莫大な費用が必要です。そこで、その資金を集めようと集まったのが「よしあきさんを救う会」でした。

各地で募金活動を開始!

同会が始めたプロジェクト「SAVE NAKAICHI DONATION PROJECT」により、東京では銀座数寄屋橋交差点、吉祥寺駅、そのほか地元石川県の金沢駅前など各地で街頭募金が開始。2016年4月8日には表参道ARCでチャリティーイベントも開催され、多くの資金が集まりました。

厚生労働省にて行われた記者会見や、各メディアによって取り上げられたこともあり、資金を集める体制は徐々に整い始めました。そうして集まった金額は、4月11日時点で、3,910万3693円に達しています。

移植準備のため渡米

資金はまだまだ足りていませんが、彼は一足先に移植準備のため渡米し、検査を受けることに。パートナーの明子さんによれば、言語や環境が変わったこともあり、体調が悪化することもありましたが、今では落ち着きつつあるようです。検査の終了は4月中旬を予定。

会のWebサイトによれば、死を覚悟し「愛しているから、別れよう」と決心した好昭さんに対して、明子さんはこう返答したそうです 。

「愛しているから、別れない」。

以下、好昭さんが、サポートをしてくれる人々に向けて書いたメッセージを紹介します。

「僕の身体がこうなって、15年ほど経ちました。今ではもう、身体が病気の影響でダルいとか、疲れ易いとかも分からなくなるくらいこの病気と付き合ってきた気がします。

幸いにも僕は、妻や沢山の友人に支えられ、募金を募る体制が整い、病院の助けもあって、アメリカでの臓器移植を受けるという手前までなんとか辿り着くことができました。

つらいことが沢山ありました。

38歳、人生でもっとも勢いのあるこの時に、自分のやりたいことがまったくできない苛立ちや悔しさ。僕にはまだまだやりたいことが沢山あります。

仲間と共に世界中様々な人々と、映像を通してふれあうこと、考えること。世界中に影響を与える仕事に携わること。

それだけではありません。家族のような沢山の友人と幸せを共有すること、そして、子供を作り、妻と共に幸せな家庭を築くことなど、まだまだやりたいことが沢山あるのです。

それを実現するためには、臓器移植しか手段は残されていませんでした。

この病気になって、いずれ回復する為の手段は臓器移植しかないとは聞いていましたが、それをすんなりと受け容れることはなかなか難しく、自分の中でも臓器移植は現実感の乏しいものでした。

ですが、次第に病状が悪化し、医師から余命を伝えられ、それが現実ものとして受け容れざるえなくなりました。

だから僕はやり残したことを夢のままで終わらせるのではなく、それを現実のものとする為に、臓器移植することを決断したのです。

日本には僕と同じ病気や他にも様々な病気で苦しみ臓器移植を必要とする人達が沢山います。そういう人々を救う為に、多くの関係する方々の努力や尽力のお陰で、日本の臓器移植の体制も近年ではどんどん整えられていっているそうです。

日本でも臓器移植を受けられます。

でも、僕の病気は生きているドナーから臓器を提供してもらう生体肝移植では助かる見込みがなく、脳死判定されたドナーから肝臓を貰う脳死肝移植が必要です。まだ日本では脳死判定のドナーから臓器提供を受けることはなかなか難しい側面もあるそうで、そういった制度上の問題など様々な理由からも日本で臓器移植を受ける環境は必ずしも充分ではなく、今後更なる改革や改善が必要とされていると思います。

それでも日本の医療は日進月歩、もの凄い勢いで発展し、また、健康保険の制度もあり、すべての人が平等に医療が受けられていると思います。

臓器移植に関しても、今よりもずっと多くの人が受けられ、ずっと多くの命が助かる様な状況へと今後さらに変わっていくでしょう。

ですが、僕にはそれを待っている時間は残されていませんでした。

本当は日本で手術を受けたい。お金のことや色んなことを考えれば本当はそうしたい。

でも、そうする為には制度上の問題や時間のことなど、越えなければならないハードルがいくつもありました。

なにより僕には、そのハードルを越える為の時間が残されていません。僕に残された道は海外で手術を受けることだけ。だから、僕は渡米して臓器移植することを決断しました。

それでも海外での移植手術には莫大な費用がかかります。果たしてそれだけの費用をどう賄えばいいのか。

そんな時に、幸いにもこうして多くの支えとなってくれる妻や仲間が僕には沢山いました。

そのお陰でこうして手術を受ける為の募金活動をしてもらえ、僕自身もみんなと一緒になんとかこの難局を乗越えなければと力を振り絞っています。

お金のことや家族のこと、もちろん病気のこともあるので、それでもまだまだ不安は沢山残っています。

それでも僕にはもう、信頼する仲間、家族、そして支援してくれる皆さんにすがるしかありません。

どうか、僕の命を救って下さい。

そして、日本の臓器移植の制度や環境がより良くなるように進み、これからもっともっと多くの命が助かることを僕は心の底から望みます。

どうか関係者の方々へ、より臓器移植の手術が受け易い環境になるように、皆様のさらなるご活躍を切に願っています。

皆さんの温かいご支援やご協力に本当に感謝しています。

また元気になった姿を皆さんにお見せできるよう頑張りますので、どうかこれからも応援よろしくお願い致します」。

2016年2月24日 中市好昭

クラウドファンディングで
引き続き資金調達中

SAVE NAKAICHI DONATION PROJECT」のwebサイトでは、引続き資金調達への協力が呼びかけられています。詳しい近況報告については、FacebookTwitterで確認可能です。

Licensed material used with permission by 「よしあきさんを救う会」
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