四角大輔×吉田拓巳-vol.1- 「昔はよかった」はナンセンス。いくつになっても変化し続けるべきだ

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モバイルボヘミアンとしてニュージーランド湖畔の森と東京を拠点に、執筆や若手クリエイター・起業家のインキュベーションを手がける四角大輔さん。そんな彼が、ぶっとんだ"若者"をゲストに、今と未来についてトークします。

今回は、日本最年少社長として、VJ、Webクリエイター、アーティストのライブ演出や飲食店の空間プロデュースなど幅広い活動を行う吉田拓巳さんが登場。

プライベートでも交流があるおふたりに、本音で語っていただきました。

「過去にもどろう」
なんて発想は絶望的

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――おふたりは以前から交流が深いそうですね。年齢の離れたおふたりですが、普段はどんなお話をされているんですか?

吉田 最近の話だったり、今やりたいこととかですね。さっきも経済産業省でオリンピックの演出に関するプレゼンをしてきた話をしてました。

――えっ!?

吉田 「2020年の東京オリンピックのテーマを聞いて驚いた」って話をしてて。テーマは何とオールドジャパン(笑)。それ聞いたときに本当にびっくりしちゃって。過去に戻ってどうするんだろう?

四角 拓巳くんとよくそういった話をするんですよ。ちなみに僕は今45歳で、拓巳くんは19歳だけど(インタビュー時)、僕と拓巳くんは対等な仲間。日本に帰ってきて、一番会う友人の一人です。

僕が若いときに、イケてないと思っていたオジサンは、「俺はこうだった」「昔はよかった」みたいな過去の話をする人だったんですよね。要は「オールドジャパン」っていうコンセプト自体が、過去にしがみつきたいオジサンからしてみればいいのかもしれないけど、「バブルや高度経済成長の頃に戻ろう」みたいな“過去への後退思考”は、僕からするとほんと絶望的で。

吉田 ほんとナンセンスですよね。

四角 そもそも10代の拓巳くんに「オリンピックのアイデアをプレゼンしてほしい」ってお願いしているのに、コンセプトがオールドジャパンって(笑)

これからの時代は
リアルなものしかウケない

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――ちなみに、どんなアイデアをプレゼンされたんですか?

吉田 今回はオリンピックを使って日本を海外にどうPRするか、みたいなテーマだったんです。

僕は今の時代、リアルしか受け入れられない時代だと思っていて。昔って、テレビがある意味の“リアル”だったから、みんなテレビCMをみて、「あぁ、このお茶はこんないいとこでできていて、この化粧品はこんなキレイな女優さんが使っているんだ」と思ったかもしれないですけど、今はCMや広告を信用していない人が増えていると思っています。広告や情報が増えすぎて、テレビがリアルじゃなくなったから、感覚的にこれ宣伝だってわかるんですよね。

——確かにそうですね。

吉田 だから、莫大な予算を使って日本が「うちはこんな国です」って映像をつくったとしても、世界の人たちは誰も共感してくれない。それよりも、オリンピックにきたユーザーが勝手に宣伝してくれるようなコンテンツをつくったほうがいいと思うんです。

大きなターゲットに向けて宣伝するより、たとえば僕が四角さんに日本のいいところを伝えるほうが信憑性もあるし。

四角 僕にとっては、それがリアルだからね。

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――四角さんがそう思うようになったきっかけは?

四角 拓巳くんのようなクリエイティブな10代、20代の子たちが相手にしてくれて、遊んでくれるからかな。僕自身がすでに45歳のオジサンなのに。僕より上の世代の人たちの大多数が過去の栄光の話ばっかりするから、一緒にいるのは「ゴメンナサイ!5分が限界です!」みたいな感じになってしまう(笑)

まわりで過去の成功体験にとらわれない人を探そうとすると、同世代以上ではわずかしかいない。だからお付き合いする大人の人たちは厳選します。

そして、未来創造の話を真剣にしようとすると、どうしても年齢も若くなっていく。ちなみに、40代になって初の10代の友だちが拓巳くんでしたね。

——出会いはいつ頃だったんですか?

四角 僕がはじめて拓巳くんと会ったのは、あるトークイベント。まだ彼が16歳のときで、当時まだその世代の子とガチで話すことってなかったから、共通の話題を探そうと思って、「マンガ読む?」っておそるおそる聞いたら、「いや、読まないっす」って言われて“シーン”となっちゃった(笑)

理由を聞いたら、「マンガってカラーじゃないから。フルカラーじゃないと入ってこないんですよね」って言われたんです。
それで当時学生向けのトークライブを年間何十本もやっていたので、すぐにその週末にスライドを全部フルカラーにしました(笑)

——一緒にいることで刺激をもらえるんですね。

四角 そうですね。自分が思ったことを、僕とは違う感性とボキャブラリーではっきり言い切ってくれるので、忘れがちな大事なことを再確認できる。僕も45歳だから、油断していると思考が固まりがちになったり、気づかぬうちに挑戦を避ける思考になってしまうリスクがあります。

グローバルに移動しながら仕事をしたり、頻繁に大自然へ冒険をしたりして、「非日常」を暮らしに取り入れるようにして、凝り固まらないように工夫はしているけれど、それだけでは限界がある。彼らといるとことで新しいことを学べるし、インスピレーションもらえるし、クリエイティビティが強くかきたてられる。

その結果、僕自身が変化し続けることができるんです。なにより、単純に一緒にいて楽しいですからね。

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――吉田さんからみた四角さんは、どんな印象ですか?

吉田 まぁ、失礼ですけど、「なかなかこんな大人はいないな」って思います(笑)。ふだんあまり本を読まないけど、唯一四角さんの本は読みましたし。

四角 ふだんあまり自慢話とかしないんですけど、これはつい自慢しちゃいます(笑)。レコード会社プロデューサー時代にCDをたくさん売ったことよりも、拓巳くんが自分の本を読んでくれたことの方が僕にとっては自慢だし(笑)、嬉しい。

未来にコミットし、今を全力で生きているお二人が語るからこそ、一言一言にすごく説得力があります。

コンテンツ提供元:QREATOR AGENT

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