社会とうまくやっていくための「8つの考え方」

ジョン・キム

作家。韓国生まれ。日米英で教鞭をとった後、2004年から2013年まで、慶應義塾大学特任准教授を務める。オックスフォード大学、ハーバード大学などで客員研究員を歴任。著書に『媚びない人生』(ダイヤモンド社)、『時間に支配されない人生』(幻冬舎)、『断言しよう、人生は変えられるのだ。』(サンマーク出版)など多数。2013年からは、パリ、バルセロナ、フィレンツェ、ウィーンに拠点を移し、執筆活動中心の生活を送っている。『社会人版キムゼミ』を主宰しながら、元音楽プロデューサー四角大輔氏と今年3月に開設したオンラインサロン『Life is Art』が人気を呼んでいる: life-is-art.jp/

社会にはルールがある。ときにはありがたい存在ではあるが、鵜呑みにせず、本当に信頼できるものなのか、見極めなければならないこともある。ルールに縛られた社会と、どう向き合っていくのが正しいだろうか。

01.
コントロールできない
ものに、逆らわない

就職の面接で合否を判定するのは、企業である。コンクールやプレゼンも同様、評価するのは他者なのだ。自分にできることは、その時点でできる最高のパフォーマンスをするだけである。結果は自分で決められないのだ。

この線引ができれば、結果を過度に意識せず、必要なパフォーマンスに集中できるようになる。結果を真摯に受け止められるようにもなるだろう。

02.
真実とは気まぐれで、
うさん臭いものだと知る

故郷を出て複数の国での生活を経験した後、私は世の中にはひとつの正解などないことが、はっきりとわかった。それぞれの国において、同じ問題に対し、導き出された正解がまるで違っていたからである。世の中の人々は自分の置かれた状況の中で、自分の利害の中で判断をして、正解や真実というものを創り出しているに過ぎない。社会的な真実は複数あり、それが共存しているのが社会なのだ。

03.
理解なき批判をしない

若い時代にしてしまいがちで、しかし絶対にしてはいけないのが、理解なき批判だ。物事を短絡的に判断せず、相手が言おうとしていることの背後にある、この言葉が発せられた意味を想像しようとすると、より深い理解ができるようになる。その姿勢が相手に伝われば、大きな共感が生まれる。これは信頼の重要な一歩になるのだ。

04.
2割話し、8割聞く

コミュニケーションというと、いかに話すか、ということにばかり目が向く印象がある。しかし、相手が何を求めているかを理解せずに、いくら話しかけたところで、そこに共感は生まれない。コミュニケーションでは、話すよりもむしろ聞くことにこそ、力をかけたほうがいい。私はその心がけを、2割話し、2割聞く、と表現している。

05.
空気を破る

空気には、読むべきものと、読んではいけないものがある。それなりにリスペクトするに足るものもある一方で、自分の感覚としては微妙に違和感を持つことも間違いなくあるはずだ。そういうときに大事になるのが、そこでしっかり声を出すことである。そうしなければ、他者のモノサシによって、自分の人生がどんどん流されていってしまう。

06.
常識を疑い、前提を疑う

たとえ世の中で常識や前提と言われていたとしても、一度自分の中でしっかり吟味し、消化してみる必要がある。100年前の常識は、今の常識にはならない。アメリカの常識が、必ずしも日本の常識ではない。その程度のものなのである。
まずは本当にそれは信じられるのか、自分自身に問うてみることだ。もちろん認められるのなら、受け入れてもいい。

07.
通すべきときにのみ、
自己主張する

自己主張をあまり気にし過ぎると、人間に軽さが生まれてしまう。言葉にも重みは出ない。存在としての希少性も薄れる。逆に希少性や重みを演出するためにも、むしろ普段は静かにしている、というのが私の考え方である。本当に自己主張をしたときに、周りが聞き耳を持つために、むやみな自己主張をしないのである。

だからこそ重要になってくるのが、自分は何をしたいのか、という優先順位をしっかり考えておくことだ。これを考えていないと。あれやこれやと主張してしまうことになりかねない。

08.
多元的な視点を持つ

社会に広がる物事を鵜呑みにしてしまう要因のひとつに、多元的な見方ができていない、ということが挙げられる。物事をひとつの方向からしか見ることができないのだ。メディアが報じていることだけ見ていては、見えてこないことがたくさんあることに気づかねばならない。実は多元的な価値を持つことこそ、物事を正しく見る目を養い、自己防衛力を高めることにつながっていくのだ。

媚びない人生
コンテンツ提供元:ジョン・キム

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